■主旨と内容
女性たちの間では育児休業制度を使って会社に復帰するケースが一般的になってきました。また介護休業制度を活用して一定期間会社を離れるケースもまだ少数ですが出てきました。国の政策が企業に徐々に浸透してきたといえます。ただ,育児休業では子供の年齢などで一定のめどが立つわけですが,介護では先が読めないという難題があります。
女性たちの間では育児休業制度を使って会社に復帰するケースが一般的になってきました。また介護休業制度を活用して一定期間会社を離れるケースもまだ少数ですが出てきました。国の政策が企業に徐々に浸透してきたといえます。ただ,育児休業では子供の年齢などで一定のめどが立つわけですが,介護では先が読めないという難題があります。
また,女性としては「子供が○歳になるまでは育児に専念したい」という考え,あるいは保育施設など子供を預けて働く環境が整っていない事情から,会社の定めた育児休業期間では収まらずに退職を選んでしまうことも少なくありません。
さらに今後は男性も親の介護が現実の問題となり,仕事とのバランスが非常に難しくなります。厚生労働省の2010年『国民生活基礎調査』によると,同居する家族を介護する男性の数は約120万人に達しているといいます。介護施設にも預けられず,周囲にケアできる者がいないがゆえに会社を退職せざるをえない男性が増えているのです。
ワーク・ライフ・バランスの観点から考えると,そういった切実なケースにも対応できる制度が必要です。また,今後の企業経営からすると,そういった働き盛りの層の人材不足は深刻な問題として浮上してきます。中小企業では一度退職した者が再度復帰するケースは珍しくありませんが,会社規模が大きくなるに従って再雇用は一般的ではないようです。なかには中途退職者は絶対復帰させないという暗黙のルールを持つ企業もあると聞きます。しかし今後は,深刻な人材不足が想定され,仕事内容をよく理解している元社員を積極的に再雇用するケースは増えてくると考えられます。
今回ご案内する「ワーク・ライフ再雇用規定」は,出産・育児・介護等ライフステージ上の理由などでいったん退職した社員の再就労を支援することで,その社員が培った新たなキャリア,アイデア,能力を活かすと同時に,社員がより安心して働ける環境の整備に役立つことを目指します。
さらに今後は男性も親の介護が現実の問題となり,仕事とのバランスが非常に難しくなります。厚生労働省の2010年『国民生活基礎調査』によると,同居する家族を介護する男性の数は約120万人に達しているといいます。介護施設にも預けられず,周囲にケアできる者がいないがゆえに会社を退職せざるをえない男性が増えているのです。
ワーク・ライフ・バランスの観点から考えると,そういった切実なケースにも対応できる制度が必要です。また,今後の企業経営からすると,そういった働き盛りの層の人材不足は深刻な問題として浮上してきます。中小企業では一度退職した者が再度復帰するケースは珍しくありませんが,会社規模が大きくなるに従って再雇用は一般的ではないようです。なかには中途退職者は絶対復帰させないという暗黙のルールを持つ企業もあると聞きます。しかし今後は,深刻な人材不足が想定され,仕事内容をよく理解している元社員を積極的に再雇用するケースは増えてくると考えられます。
今回ご案内する「ワーク・ライフ再雇用規定」は,出産・育児・介護等ライフステージ上の理由などでいったん退職した社員の再就労を支援することで,その社員が培った新たなキャリア,アイデア,能力を活かすと同時に,社員がより安心して働ける環境の整備に役立つことを目指します。
■検討内容
その1. 退職理由を限定する例
□目的再雇用規定の目的を明確化します。ワーク・ライフ・バランスとの関係について説きます。
□対象者
退職の理由をどのように限定するのか検討し,明記します。育児・介護等によるやむをえない退職に絞るか,その他の理由や配偶者の転勤による退職なども含めるかどうか,です。また,対象者は規定制定以降の退職者のみとするのか,それ以前の退職者も含めるのか決めておく必要があります。
□退職時の資格要件
応募可能な対象者の退職時の要件を規定で明確化します。例えば,勤続年数や退職時の資格等級などの基準が挙げられます。
□退職時の手続き
再雇用を利用する可能性のある退職者の退職時の登録手続き等について規定化します。
□再雇用時の要件
再雇用時の要件を予め決めておく場合は明記します。また,状況に合わせて要件が変わる場合は,その都度募集案内を開示する方法や連絡方法を規定化します。
□再雇用時の手続きと選考方法
再雇用の申し込み方法や選考方法について規定化します。一般の中途採用者とのバランスも検討課題になります。
□再雇用時の契約形態や処遇
まず正社員,契約社員,パート社員のどの契約形態をとるのか。次にその処遇はどういう決定方法を取るのかを規定化します。
□再雇用後の労働条件
再雇用後の年次有給休暇は退職前の勤続を加味するかどうか等。
上記の他,退職金算定の取り決めなども必要となります。
その2 . 退職理由を限定しない例
□目的会社を一度退職し,他社あるいは様々なライフイベントなど貴重な体験から得られた知見や従来にないアイデアや考え方を取り入れて,本人も会社も共に成長するため,といった目的を定めます。
□対象者
自己都合で退職したすべての社員を含めるのか,制度の制定以前に退職した社員も対象者とするのか,明記します。
□募集・応募・選考手続き
一般中途採用者との関係や応募方法についても規定化します。
ワーク・ライフ再雇用規定(その1)
第1 条(目的)この規定は,ワーク・ライフ・バランスを推進していくために一度会社を退職した者を積極的に受け入れ,再度活躍の場を提供する場合の取り扱いを定める。ライフイベント等で貴重な経験を積んだ元社員に改めて活躍の場を提供し,経験から得られた知見や従来にない発想や考え方を取り入れることでさらなる発展・成長につなげるためとする。第2 条(対象者)対象者は退職の理由を妊娠,出産,育児および介護の理由,その他配偶者の転勤によって退職した正社員とし,退職時に,将来就職が可能になった際に再雇用を希望する旨書面により申し出た者とする。
ただし,懲戒による退職者,会社都合やセカンドキャリアによる退職者を除く。
第3 条(退職時の資格要件)退職時の資格要件は以下を満たしていることとする。
①勤続3 年以上
②資格等級は○以上
第4 条(退職時の手続き)退職時に再雇用を希望する旨の申し出を行った場合,会社は適用要件を確認し,制度対象者と認定したときは再雇用資格保有証明書を発行し,認定者登録を行う。
第5 条(再雇用時の要件)再雇用時の要件は以下とする。
①離職の期間が7年以内の者
②心身ともに健康であること
③会社の通勤圏に居住していること
第6 条(再雇用時の手続き)再雇用を希望する制度適用対象者は,会社へ再雇用資格保有証明書を提出し,再雇用の申し込みを行う。
第7 条(再雇用の選定)再雇用希望者からの申し込みがあった場合で,人材の調達が必要になっている場合に限り,面接を実施し,再雇用の有無を決定する。なお,申し込みを受けた際に採用予定がない場合は,採用機会が生じたときに会社が本人に面接を通知することとする。
第8 条(再雇用時の処遇)再雇用時の処遇は再雇用時の能力や退職時の資格等級を勘案して決定することとする。
①勤務形態は正社員または契約社員とする
②退職前の技能や能力を活用できる職務に就くことを原則とする
③賃金については退職前の資格等級を考慮し,再設定するものとする
第9 条(再雇用後の条件)再雇用後の労働条件について以下のように扱う。
①試用期間を3ヵ月とする
②年次有給休暇の算定の基礎となる勤続年数は,退職前の期間を合算する
③退職金の算定の基礎となる期間は,再雇用後の期間とする
第10条(能力開発等)制度適用対象者は,常に再雇用に向けて能力の維持向上のために自己啓発を行うこととする。再雇用の審査の際は離職期間中の自己啓発の状況や取り組み等について採用面接で確認する。(自己啓発の証明書等添付のこと)
ワーク・ライフ再雇用規定(その2 )
(目的)この規定はワーク・ライフ・バランスのシナジー効果最大化の観点で,一度退職したものの貴重な経験や発想を当社の発展に活用するとともに,元社員の活躍の場を提供することを目的とする。(対象)対象者は自己都合により退職したすべての元正社員とする。制度発足以前に退職した者も対象とする。ただし勤続3 年以上の者とする。
(再雇用時の処遇)賃金等の労働条件は,退職時の処遇と再入社時の基準を勘案し決定する。
(募集・選考)求人の必要性が発生した際に一般中途採用と同時に募集を行う。
(応募手続き)応募手続きはホームページに掲載する。
(その他の内容は規定その1 を参照)
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