生産年齢人口が激減し、存在感が希薄になる日本

 わたしが代表取締役を務めているHRプロは、『人事×経営』というスローガンを掲げ、「組織変革のためのプロフェッショナルとしての人事」が必要だ、と主張しているのですが、今日はそのように考える背景についてお話しし、認識を共有化したいと思います。
『人事×経営』:組織変革のためのプロフェッショナルとしての人事
まず「激変する世界」、あるいは「激変する日本」について検証します。多くの未来予測シナリオがありますが、その中でもっともよく当たると言われているのが人口動態予測です。
 これから世界人口は激変し、2050年に93億人に達します。2011年の世界人口は約70億人ですから現在の133%に増加するのです。
 日本人口も激変します。ただし増加するのではなく減少します。2011年の日本人口は 1億2770万人ですが、2050年には9700万人と現在の76%に減少してしまいます。人口減でもっとも怖いのは生産年齢人口の減少です。予測では生産年齢人口(15~64歳)は2005年比で41.6%減になってしまいます。
 世代別人口分布のグラフを見ると、現在の生産年齢人口の部分は多少の凸凹があるにせよ厚みがあります。ところが2050年になるとやせ細っています。これは国力の衰えを示唆し、現状のまま推移すれば日本の存在感が希薄になることが予測されます。
 経団連21世紀政策研究所は昨年に「グローバルJAPAN-2050年シミュレーションと総合戦略」を発表し、2050年までの人口、貿易、エネルギー、経済規模について予測し、「2050年の日本のGDPは中国・米国の1/6 、インドの1/3 以下の規模となり、存在感は著しく低下することが予測される」と警鐘を鳴らしています。

変化が加速する世界、問題が放置されている日本

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