もしも企業の経営に携わる方々、人事部門の方々が、「あなたの会社の適正な人件費はいくらですか?」と問われたら、どのようにお答えになるだろうか。あるいは、「給与にはメリハリがありますか、ありませんか?」、「適正な人員数は何人ですか?」、「どの職種、どの等級が何人ずついるのが適正ですか?」と問われたらどうだろうか。

いま、多くの企業が、人件費コストをどうするか、余剰人員対策をどうするか、また、高齢化社会が進むなかで、雇用延長を行いながらいかに活性化と成長を実現するかなど、人事領域の難しい問題・課題に直面されている。第一歩として大切なのは、自社で起こっている問題・課題を正確に把握することだが、では、それをどのように把握するか。従来、よく行われているのはインタビューだが、全員に聞いているわけではないことに加え、聞き方や、聞かれる側のその日の気分によって答えが変わる場合もあり、非常に定性的で曖昧だ。また、モチベーションサーベイといったアンケートもよく行われており、こちらは全員に聞くので良い調査方法だが、「本当のことを答えると、あとで困るのでは?」と不安を持たれ、アンケート結果があまり正しくない場合も往々にしてある。その一方で、科学的根拠に基づく経営の意思決定が重要との認識から、最近、注目されてきたのが、過去の数年分のPLと現在の人事データを加工し、人事領域のさまざまな問題・課題に関して定量分析を行うというアプローチだ。


このような定量分析の手法を用いることで、人事領域の現在と将来のさまざまな問題・課題が数字として出てくるということは大変重要だ。それらについて議論する場合は、共通言語として、こうした数値の分析を基に行うのが一番わかりやすいのではないか。経営に携わる方々が今後の組織・人事について検討するときのひとつの視点として、ご参考にしていただければと思う。
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