古森 剛著
かんき出版 1470円
かんき出版 1470円
本書の帯には「英語が公用語になっても怖くない!!」と謳われている。楽天、ユニクロが社内言語を英語にし、新卒採用でもTOEICスコアを条件にする企業が増えている。本書は語学書コーナーに置かれていたが、グローバル熱が沸点に達しているから、ビジネス書コーナーにあってもおかしくない。
著者の古森剛氏は、組織・人事変革コンサルティング会社マーサー ジャパン代表取締役。外資のトップだから当然英語は堪能。その習得方法はさぞ華麗な、特別なものかと思うと、実はそうではない。それは、古森氏自身が高校生だった頃からの英語習得メソッドだった。中身を説明しよう。
英語学習の目的は4つ。
(1)生活英語(ひとりで生活するための英語。たとえば買い物、食事。2000語の語彙)
(2)お友達英語(人と仲よくなるための英語。生活英語に趣味のコトバを入れて3000語)
(3)ビジネス英語(仕事で認められる英語。5000語から1万語)
(4)マネジメント英語(人びとの心を動かす英語。たとえばオバマ大統領の演説。1万語以上)
本書のゴールは「ビジネス英語」を身につけることにあり、「語彙の量」がすべての基礎。そして「音読」が古森メソッドの根幹。声を出して、耳で聴いて、脳にすり込む。そうすることで、ヒアリングが上達するだけではなく、話すことができるようになる。
まず「忍者の草とび」によって、基本となる語彙を英文記事の音読で増やす。
「忍者の草とび」を聞いたことのない人は多いかもしれないが、忍者の身体トレーニング法だ。本書には「成長の早い草の種」を播き、芽が伸び始めたらその上をジャンプして飛び越えることで、忍者は鍛えたと記述している。
わたしの記憶では「成長の早い草の種」は麻である。麻は1~3メートルまで伸びるらしい。毎日少しずつハードルを上げてトレーニングすれば、人は成長していくということだ。
具体的には英語新聞から記事を選び、その記事を音読する。わからない単語は調べる。また音読し、わからない単語を調べる。わからない単語がなくなるまで音読する。これが「完読」。
次の日は、前日に音読した記事を再度音読して、わからない単語がないことを確認する。それから新しい記事の音読にとりかかる。こういう地道なトレーニングを3カ月、6カ月継続していくと、想像以上の語彙が身についてくる。
記事だけではなく、時間をかけて本一冊を音読しながら読み通すことを古森氏は「ロングラン」と読んでいる。古森氏自身が最初に読み通したのは聖書だった。
英語の表現には聖書に由来するものが多いし、欧米人の常識、思考の骨格でもあるから、語学だけでなく聖書を読むことは有益だろう。
その他に「英語カラオケ」「筆写」などのメソッドが紹介され、現在使うことのできる電子ツールについても解説されている。
非常に説得力があり、古森メソッドは語学習得に有効だと納得できる。3カ月続ければ、かなり大きな効果があるだろう。本書を読んだ知人も「必ず効果はある」と確信していた。
帯に「忙しいビジネスパーソンの最終兵器!」という文句があるが、忙しいビジネスパーソンは「忍者の草とび」をする時間が取れないと思うかもしれない。しかし、それでは真のビジネス英語力は付かないということだろう。聞き流すだけで本当の英語力がつくことは絶対にない。「楽な方法ばかり求める」「やらない理由を考える」人間は、何事も向上しないものだ。
著者の古森剛氏は、組織・人事変革コンサルティング会社マーサー ジャパン代表取締役。外資のトップだから当然英語は堪能。その習得方法はさぞ華麗な、特別なものかと思うと、実はそうではない。それは、古森氏自身が高校生だった頃からの英語習得メソッドだった。中身を説明しよう。
英語学習の目的は4つ。
(1)生活英語(ひとりで生活するための英語。たとえば買い物、食事。2000語の語彙)
(2)お友達英語(人と仲よくなるための英語。生活英語に趣味のコトバを入れて3000語)
(3)ビジネス英語(仕事で認められる英語。5000語から1万語)
(4)マネジメント英語(人びとの心を動かす英語。たとえばオバマ大統領の演説。1万語以上)
本書のゴールは「ビジネス英語」を身につけることにあり、「語彙の量」がすべての基礎。そして「音読」が古森メソッドの根幹。声を出して、耳で聴いて、脳にすり込む。そうすることで、ヒアリングが上達するだけではなく、話すことができるようになる。
まず「忍者の草とび」によって、基本となる語彙を英文記事の音読で増やす。
「忍者の草とび」を聞いたことのない人は多いかもしれないが、忍者の身体トレーニング法だ。本書には「成長の早い草の種」を播き、芽が伸び始めたらその上をジャンプして飛び越えることで、忍者は鍛えたと記述している。
わたしの記憶では「成長の早い草の種」は麻である。麻は1~3メートルまで伸びるらしい。毎日少しずつハードルを上げてトレーニングすれば、人は成長していくということだ。
具体的には英語新聞から記事を選び、その記事を音読する。わからない単語は調べる。また音読し、わからない単語を調べる。わからない単語がなくなるまで音読する。これが「完読」。
次の日は、前日に音読した記事を再度音読して、わからない単語がないことを確認する。それから新しい記事の音読にとりかかる。こういう地道なトレーニングを3カ月、6カ月継続していくと、想像以上の語彙が身についてくる。
記事だけではなく、時間をかけて本一冊を音読しながら読み通すことを古森氏は「ロングラン」と読んでいる。古森氏自身が最初に読み通したのは聖書だった。
英語の表現には聖書に由来するものが多いし、欧米人の常識、思考の骨格でもあるから、語学だけでなく聖書を読むことは有益だろう。
その他に「英語カラオケ」「筆写」などのメソッドが紹介され、現在使うことのできる電子ツールについても解説されている。
非常に説得力があり、古森メソッドは語学習得に有効だと納得できる。3カ月続ければ、かなり大きな効果があるだろう。本書を読んだ知人も「必ず効果はある」と確信していた。
帯に「忙しいビジネスパーソンの最終兵器!」という文句があるが、忙しいビジネスパーソンは「忍者の草とび」をする時間が取れないと思うかもしれない。しかし、それでは真のビジネス英語力は付かないということだろう。聞き流すだけで本当の英語力がつくことは絶対にない。「楽な方法ばかり求める」「やらない理由を考える」人間は、何事も向上しないものだ。
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