「ブラック企業」という言葉も生まれ、今や社会問題となっている日本の労働習慣のひとつが「長時間労働」です。2016年から政府が推進している「働き方改革」においても主要課題とされており、厚生労働省も取り締まりを強化。今後は、残業時間に対して罰則付きの上限規制が設けられる可能性もあり、各企業は迅速な対応を迫られています。しかし、「長時間労働はなくしたいが、生産性や競争力の低下が心配」と、なかなか着手できない企業もまだ少なくないはず。そこで本記事では、成果を担保したまま労働時間を削減するためのポイントをご紹介します。
長時間労働の見直しが進む中、動きが鈍い中小企業
そもそも、「働き方改革」を受けて、企業はどのような取り組みを重要と考えているのでしょうか。HR総研が行ったアンケート調査によると「残業時間、労働時間の抑制・上限設定」が61%と最多。「休暇制度の見直し・改訂」も約4割にのぼることから、多くの企業が長時間労働の是正や休暇制度などの見直しに注目していることがわかります。
【「働き方改革」の取り組み課題として重要だと思うもの(複数回答可)】
※ HR総研調査 2017年6月 回答数190件
実際に長時間労働を是正するために、どれくらいの企業が具体的な取り組みを開始しているのでしょう。
HR総研が行ったアンケート調査では、全体で92%の企業が、時間外労働に対して何らかの取り組みを行っていると回答しています。
企業の規模別でみると、1001名以上の企業は100%。301〜1000名は96%、300名以下でも86%が労働時間の見直しに取り組んでいるようです。
【時間外労働(残業)への取り組み】
※ HR総研調査 2017年5月 回答数212件
HR総研が行ったアンケート調査では、全体で92%の企業が、時間外労働に対して何らかの取り組みを行っていると回答しています。
企業の規模別でみると、1001名以上の企業は100%。301〜1000名は96%、300名以下でも86%が労働時間の見直しに取り組んでいるようです。
【時間外労働(残業)への取り組み】
※ HR総研調査 2017年5月 回答数212件
成果が変わらない「固定業務」に働き方を変える鍵
そうした取り組みがあっても、実際に長時間労働を是正できるかというと、一筋縄ではいきません。アンケートに寄せられたコメントでは、「労働時間は仕事量、処遇、評価など複雑な要素が絡み合っており、ひとくくりに削減を進めることはなかなか難しい」(300名以下、商社・流通)という声や、「仕事のやり方を変えないと時間外は減少しないが、従来と同じ方法で漫然と行っている社員が多い」(300名以下、サービス)など、特に中小企業では労働時間の短縮が難しいようです。「残業したくなくても、やらないと仕事が終わらない」「仕事の進捗が遅れれば、会社の競争力や売上がダウンする」という不安もあって、なかなか現状を変えられないのではないでしょうか。しかし、政府による取り締まりの強化だけでなく、社員の健康障害、ブラックイメージの拡散といった企業リスクから考えても、長時間労働の是正は今や急務。そこで、生産性を維持したまま労働時間を削減する方法を検討する必要があります。
そのヒントが見つかるのが、「奉行シリーズ」でおなじみの株式会社オービックビジネスコンサルタントが提唱する「奉行流働き方改革」です。この改革方法では、労働時間削減の一番の鍵は「固定業務」にあるとしています。
一般的に、労働は変動業務と固定業務から構成されています。変動業務というのは、提案、企画、製造などのように、成果が変動する仕事のこと。これに費やす時間の削減は、確かにサービスの質や商品力の低下につながる可能性が高いです。
一方、固定業務は成果が固定的な仕事のことで、入力、集計、作成などがそれにあたります。成果が決まっているということは、作業の効率化次第で労働時間の削減が可能だといえます。削減した時間を変動業務にあてれば、むしろ、全体での成果は向上。総労働時間が減少して、生産性はアップするという結果になるのです。
一方、固定業務は成果が固定的な仕事のことで、入力、集計、作成などがそれにあたります。成果が決まっているということは、作業の効率化次第で労働時間の削減が可能だといえます。削減した時間を変動業務にあてれば、むしろ、全体での成果は向上。総労働時間が減少して、生産性はアップするという結果になるのです。
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固定業務とは、たとえば、伝票や勤怠表への記入のような仕事を指し、定例的で繰り返し性があります。そのため、システム化することで、かなりの労働時間を削減できます。ただし、一口にシステム化といっても、部署やその目的によって、実現方法は大きく異なるもの。「奉行流働き方改革」では、さまざまなケースの労働時間の削減方法について、わかりやすく解説したガイドブック(無料)を用意しています。紹介しているケースは、全部で77通り。きっと参考になる方法が見つかりますから、それぞれの環境にあった「働き方改革」に役立ててはいかがでしょうか。
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