人間の持つ4つの側面と4つのニーズ
竹村 人財の考え方はコヴィー博士の『第8の習慣』に近しいと思います。コヴィー博士の思想は『7つの習慣』で有名になりましたが、実は『第8の習慣』もあります。その内容は、人間は4つの側面を持ち、それぞれのニーズがあると分析しています。1つは「肉体」で、生きること、経済的に満たされることです。2つ目は「情緒」で、愛すること、お客様とのコミュニケーションやチームとしての協働を指します。3つ目は「知性」で、学ぶこと、自己実現や成長です。4つ目は「精神」で、貢献すること、社会・会社への貢献です。コヴィー博士は次のように語っています。「あなたが4つのうち1つでもないがしろにしたら、あなたは人ではなくモノとして相手を見ています」。
4つの側面は価値観とも言えます。右肩上がりの高度成長期は、肉体の側面が重視され、経済的に満たされることが大切でした。しかし、いまでは仕事のモチベーションとして、自己実現、成長、貢献という価値観を重視する人が増えています。
価値観は変わっているのですが、会社の仕組みは古いままです。材料の人材としての経費はPL(損益計算書)の経費のいちばん上に「人件費」として出ています。しかし財産である人財であるならばBS(貸借対照表)に記載されるべきだと考えますが、そうなっていません。・・・・続く