バーチャルに修羅場を経験する体験型ケーススタディ

「日本企業40代ミドルマネージャー変革のための『3つの修羅場リーダーシップ経験』」
しかし、そうはいっても、いまの世の中で修羅場というものを経験できる人はかつてのようには多くない。経済成長率が高かった時代は、いわば毎日がプチ修羅場だった。経験や実力が足りなくても必死にやらないと乗り切れないから頑張った。だが、経済成長率が低くなるとそんな状況はなかなか生まれない。さらに企業の内部統制も利いてきて、修羅場はどんどん減っている。そこで、バーチャルな修羅場経験を通して自分の器を拡げていただける場を作りたいという思いから、我々が新たに開発したのが、革新的な体験型ケーススタディ「オーガニゼーションシアター」だ。

 このプログラムでは、自社製品で死亡事故が発生したがどう対応するか、自社の倒産危機をどう回避するかといった「絶対解」のない状況が設定され、受講者は企業の担当者となり、チーム一丸となって課題解決にあたる。シナリオは実際にあった事例をベースに私が作ったもので、登場する「利害関係者」はプロの役者だ。「想定外」の事件が次々に起こるなか、朝から夕方まで7時間、あるいは30時間という長時間、まさにその人物になりきり、極めてリアルな修羅場経験をすることになる。ケースによっては日本語のできない外国人が相手で、なんとか説得しなければ会社が窮地に陥ることもある。ハードな状況下で問われるのは、次々に飛んでくる情報をうまく整理できるか、絡み合う利害関係を調整して建設的妥協を見出せるか、他人ごとでなく自分ごとで動けるか、めげることもあるがチームの元気を維持してやっていけるかといったことなどだ。知識やスキルは、インプットしただけでは使えるかどうかわからない。それらを負荷がかかるなかで総合的に使ってみて、「できない」と気づいたときに、人は「やらなければならない」と思う。そういう場作りをしているのがこのプログラムだ。

 オーガニゼーションシアターは参加者の世代を問わないが、さきほど挙げた「グローバル」「市場価値」「組織変革」という3つのキーワードに焦点を当てたケースをいくつか用意しており、40代ミドルマネージャーに望まれる格好の修羅場リーダーシップ体験をしていただける。今後、日本企業のトップマネジメントを担える力を備えた40代リーダーが数多く輩出されていくために、こうした場が役に立てれば幸いだ。

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