1年間の職場経験が価値観の激変を引き起こす
価値観も1年間で変化します。新入社員がもっとも大事にしたい価値観としてあげるのは「人の役に立てること」で28.0%です。しかし2年目社員では14.5%と半減しています。他の項目も軒並み変化します。新入社員では「自分の能力を発揮すること」を大事にしたいと挙げている方は8.9%ですが、2年目社員では16.9%と多くなっています。「達成感を得ること」も新人の10.4%から2年目では14.0%となっていて、「経済的に豊かになること」では、3.0%から11.1%となっています。
同一の設問で「新入社員意識調査2012」を行っていますが、2012年入社の新入社員も2013年の新入社員も、結果はそれほど大きく変わりません。ところが、2年目社員との比較では大きな差が見られていますので、1年間の職場での仕事経験が価値観の激変を引き起こしている様子が窺われます。
キャリアビジョンの有無が成長に大きな差をもたらす
今回の調査でもうひとつ注目したい設問が「理想とする5年後の自分像(キャリアビジョン)」です。新入社員では72.6%が「ある」と回答、2年目社員では59.4%が「ある」と答えています。さてキャリアビジョンの有無を、他の設問の回答で調べてみると、興味深いことがわかります。まず「キャリアビジョンのある」新入社員は「ない」新入社員より、「仕事への期待」ポイントが高いのです。また「キャリアビジョンの実現可能性が高い」と回答した新入社員ほど、「仕事への期待」ポイントが高くなります。
同様に2年目社員の「キャリアビジョン」を調べてみると、「ビジョンがある」2年目社員は「仕事へのモチベーション」「仕事への主体的取り組み」「仕事のやりがい」「仕事を通じての成長実感」のいずれの設問でも「ビジョンがない」2年目社員よりもかなり高いポイントになっています。
つまりキャリアビジョンの有無が本人の成長可能性に大きな差をもたらすのです。基礎訓練期にこの状態を放置すると、今後の成長に大きな個人差が出てしまう可能性があります。