新興大国で生まれた大量消費社会
先進国経済が低迷しているなかで、新興大国が着実な成長を続ける背景は何でしょうか。それは中間層が拡大し、大量消費社会が生まれていることです。2000年から2011年までの個人消費はインドで2.5倍、インドネシアで1.8倍、タイで1.5倍も増加しましたが、日本では9.3%の増加にとどまっています。消費の拡大を示す好例がロシアのハイパーマーケットブームです。ハイパーマーケットの面積はスーパーマーケットの10倍~15倍あり、店員はローラースケートで移動します。食料品でなく、家電製品、衣料品、家具・インテリアとなんでもあり種類も豊富。飲食や子どもが楽しめる空間も用意されています。
このハイパーマーケットがロシアのモスクワだけで短期間に9つできました。象徴的な出来事は行列です。わたしはハイパーマーケットのレジで30分待たされました。旧ソ連時代はモノがないから行列ができました。だからロシア人は行列にアレルギーを持っています。
わたしは日本のラーメン屋さんの行列を見ると逃げるくらいです。しかしハイパーマーケットの行列は違うのです。欲しいモノをたくさん買って、楽しい話をしながら行列で待っているのです。
こういう情景は新興大国での消費の現状を示しています。モノやサービスを積極的に買う消費者階層の大半は中間層ですが、(15年間の起点の年が話されていない)15年間で18億人増えるのです。18億人というのは先進国総人口の2倍です。世界市場が抜本的に変わっていくことがわかります。
そして18億人の4分の3以上は、中国、インド、インドネシアなどのアジアの国が占めているのです。