内定期間中、草食系の学生を肉食系に変える活用事例も

続いて田宮氏が投げかけたのは、「企業が内定者SNSを活用してうまくいっている事例は、ほかにどのようなものがあるか」という問い。
これに対し、佐原氏は「コミュニケーションのほかに、一歩踏み込んで育成という観点で活用しているお客様もいる」と、営業職採用を行う食品企業の事例を紹介した。
内定者フォローで育成というとeラーニングを導入するケースが多いが、この企業が取り組んだのは、「最近の学生は社会人基礎力が足りず、草食系が多い。営業職社員として活躍できるよう、内定期間中に肉食系に変えていけないか」という課題。そこでSNSで10月に目標設定をさせ、達成するための計画を立てたうえで、日記に進捗状況を書いてもらった。
当初は誰かの進捗が悪くても同期の仲間からは甘いコメントが多かったが、人事がより厳しいスタンスで突っ込むことで、同期同士の関係がお互いのことを思って指摘し合える関係に変わったという。

最終的な効果について、佐原氏はこう述べる。
「マラソンで5km走ることからチャレンジして、フルマラソンを完走した内定者もいた。いまの世代は運動会でも順位をつけられず、競争環境にさらされた経験が少ないように感じるが、仲間が見ているなかで目標を立て、できたかできなかったかを明確にし、達成する体験を積んでもらうことができた。入社後、営業部門から『今年の新人はチャレンジしてくれる』と評価されたとお聞きしている」。

新入社員研修や配属後のOJTでSNSをこう活用する

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