基幹社員にはみなし型年功人事管理、周辺社員には非年功基準人事管理
多元的な人事管理の前に、伝統的人事管理における「制約社員」管理の特徴を整理しておきましょう。それは「1国2制度型」人事管理です。社員は「基幹」と「周辺」に分かれ、別の制度で運用されてきました。基幹社員は、学歴、働き方、キャリア形成が類似する「無制約社員」なので、年功的人事管理の「みなし型」の人事管理が特徴です。
そのいっぽうで別の周辺社員に対する人事制度が存在します。働き方・キャリアが多様な「制約社員」には「非年功基準」の人事管理が行われます。
「1国2制度型」には、いろんなパターンがあります。典型的なのは、男性総合職・女性一般職、正規社員・非正規社員、高齢者・現役社員です。
しかし綻びはすでに見えています。定年を60歳で迎えた高齢者を何割かの賃金を下げて65歳まで雇用する企業は多いのですが、成果を問わず一律に賃金を引き下げて65歳まで雇用する高齢者の「福祉的雇用」が雇用と呼べるのかどうかは疑問です。