弊社の新入社員研修では、グループ間競争を取り入れています。
グループで目標を立てさせ、役割を決めて、それを達成さます。
インストラクターは最初は誰でも答えられる質問して、積極的に発言を促し、三日間を通じて、自ら発言するようにすすめます。
いくつかのグループは、「一日、最低3回は手を上げる」等、発言を積極的にするようなルールを決めます。
しかしながら、翌日、反省会をすると、できていない人がいることがわかります。
極めて簡単に「できる」はずのことを行動に移すのかどうか、そこで大きくチームの成果=点数が変わっていることを実感することになります。

行動に移せない本人なりの理由には、

・誰かがやると思っていた
・そんなに重要なこととは思っていなかった
・間違えていたら恥ずかしい

等の心理が考えられますが、そこも自分の心に問いかけ、反省してもらうようにしています。
これらのことを通じて、研修の場では、「実践と反省」の姿勢を築いていきます。

ただし、問題は現場に入ってからで、現場でも同様に成果重視の指導、「実践と反省」を繰り返すことができるかどうか、そこが課題です。
「自ら考え、行動する」社員を求める風潮は強いのですが、そのための指導がきちんと行われている現場は少数だと私は見ています。
「え、やってるよ」という職場でも、「業務を教える」ということでは、確かにやっていることは多いと思われます。
特定の業務ができたか、できなかったか、そういう現場を観察していると、知識、技術を指導しようということはできています。
が、価値観やあり方にまで伝えられていないことが多く、結果的に自ら判断するための規準を体得できていないことが多いようです。

この数年、指導員研修のご要望を多く受けるようになりました。
現場でお聞きする指導員の課題は、「業務は教えるけれども、精神を教えられない」、「先輩、後輩の関係というより、横並び意識が強い」、「年齢差があると、人間関係をうまく構築できない」等、知識・技術的側面ではなく、人的な関係性に関わるものになっています。
しっかりとした指導員を養成、配置することで、現場で「実践と反省」の姿勢を作り上げ、自学・自習し、成果を上げる社員を養成することが必要ではないでしょうか。
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