3年後に目指すべき人事PMIの理想イメージとは
櫛笥氏:3年後は買収会社のマネジメントを日本人が乗っ取りに行く気概が欲しい。海外のマネジメントを日本人が仕切るくらいのことを、買収時から3年後に向けて考えておくことが必要。片桐氏:買収した会社が経営難に陥って、このままでは大変なことになる、日本の本体にも影響を及ぼすようなときになってはじめて、本社のエース級の方が乗り込み、本気でビジネスを立て直すことが多い。その結果PMIが何とか成功する。しかし、本来そうなる前に、統合プランを用意して適切なリーダーを最初から送り込んで付加価値を上げようという計画と意思をぜひ持って頂きたいように思う。
村上氏:コミュニケーション&タレントマネジメント分野の3年後のあるべき姿については、コミュニケーションが活発に起きていると思われるかもしれないが、実は、これは違う。そうではなくて、必要なコミュニケーションは既に仕組みや制度として内在化されている状態のほうが理想的。
堀之内氏:ベネフィットに関わる制度を何のためにやるのかを人事的な視点から定め、それに対してどれくらいまでコストをかけられるのかを財務的な視点で設定する。この検討を、海外の子会社まで実施して把握できている日本の本社は少ない。ベネフィットは全体のHRコストの中で、2~3割を占める部分。いかに的確に使って、生産性の向上につなげていくかという発想を持つべき。ベネフィットは日本以外の地域では注目されており、生産性の差にもつながっている。買収会社のPMIを考える上で、ベネフィットに関心を持つことは重要である。