企業価値を高め、従業員満足度向上と人材確保に挑む

安全衛生活動はコストではなく、投資だと認識するべき

~アップコン株式会社の事例

神奈川県川崎市にあるアップコン(株)では、「健康第一」「安全第一」「家庭第一」という経営理念を掲げ社員の健康増進目的に「健活倶楽部」を発足し、以前から就業時間中にフットサルやマラソン、禁煙などの健康活動を行ってきた。
―昨年末に、新聞で安全衛生優良企業公表制度を知り、認定を受けることを決意したが、その際4つの問題に直面したという。
≪4つの問題≫
・認定を取得するまでに何をしたらいいのか。
・誰がすればいいのか。
・いつまでに、どれくらい時間がかかるのか。
・どんな書類がどれだけ必要なのか。

「木村理事長からアドバイスを受けて3月に労働局に出向き、4つの問題を解決していきました。創業記念日の6月18日までに認定取得することを決め、健活倶楽部の代表8名が中心になって認定活動を行いました。」
認定までの作業時間はトータル159時間に及んだが、その他にかかった費用はなかったという。

《アップコン(株)の安全衛生活動事例》

(1)レクリエーション活動
月1 回以上のレクリエーション活動を企画し、社員の心身の健康に努めている。
(例:フットサル・ボルダリング・マラソン・塗り絵・座禅など)

(2) 階段ポイント制度の導入
ビル6階に位置する会社まで階段の使用を推奨している。階段の往復を距離に換算してエクセルに記録するとポイントが与えられ、健活倶楽部での活動費として使用できる。余ったポイントは、例えば今年であれば熊本の震災の寄付金とした。

(3) 全社員の非喫煙宣言
就業時間内での喫煙を禁止している。出勤前の一服や休憩時間、車での移動中、残業中の喫煙も認めておらず、ユニフォームやスーツに煙草のにおいがつくこと自体を禁止する徹底ぶりだ。

(4)有休消化率の100%達成を目指す。
代休は一人当たり平均7日たまっていたが、これをゼロにすることを目標にしている。また、現在(2017年1月20日時点)の有休消化率は40%。100%が達成できたとき、現行の週休2日制から完全週休2.5日にする。プラスされた0.5日は、親の介護や家族、または自分の勉強などのために使えるようにする。

「認定期間は3年。更新するためには、これまで以上に何に取り組んだらいいのか考えなくてはいけません。企業のトップは安全衛生活動をコストではなく、投資だと理解するべきです。川崎市で認定されているのはアップコンだけ。それを言うとみんな話を聞いてくれますし、自分の会社はちゃんとやっているんだと社員も再認識してくれます。今や企業はホワイトとブラックに二極化されている時代。だったらホワイトを目指せばいいと思うのです。」

経営者が職場環境を良くするために努力をしても従業員には伝わりにくい。しかし、認定マークという指標を得ることで、自社の取組を知り仕事へのモチベーションアップや満足度につながっていくだろう。

トップが方向性を明確に示すことで、安心して働ける会社...

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