「リファレンスチェック(Reference check)」とは、キャリア採用を行う企業が、採用しようとしている応募者の会社の上司などに、その職場での経歴や仕事ぶりなどについて問い合わせることです。

リファレンスは「身元照会、信用照会」を意味する英語で、職務経歴書に書かれている内容に虚偽がないかどうか、応募者の信用を第三者に確認する手法です。まだ応募者が転職することを申し出ていないなどの理由で上司にリファレンスを依頼できない場合、転職経験があるなら以前の職場の上司、いなければ先輩や同僚、得意先の幹部などに依頼することが多いようです。

アメリカなどの海外企業や外資系企業では、リファレンスチェックは広く行われており、採用選考プロセスの最終段階の業務として組み込まれているケースもあります。また、経営層などのエグゼクティブをはじめ、マネージャークラスの重要ポジションに就く人材の採用時にも多く実施されています。

リファレンスチェックの方法としては、応募者が「この人に問い合わせてほしい」というリファレンス先を提示し、その人に採用企業側が電話などで連絡してヒアリングする場合もあれば、採用企業側が自らリファレンス先を探して問い合わせる場合もあります。また、人材紹介会社がリファレンス先に問い合わせ、採用企業に報告することや、上司にリファレンスレター(推薦状)を書いてもらうこともあります。

なお、正確を期すため、リファレンス先は1人ではなく、複数の人から確認を取ることが一般的です。
アメリカの企業では、将来的にリファレンスを依頼する可能性を考えて、上司との関係を築いている場合がめずらしくなく、問われなくても、多くの人がリファレンス先を職務経歴書に記載するといわれます。

一般的に、リファレンスチェックは、身元確認というよりも、求職者におけるビジネス上の能力をあらかじめ確認しておくことが目的です。その結果から内定が取り消されることはあまりありませんが、実は過去に不祥事を起こしていたことが判明した場合などは、内定が取り消される可能性もあります。

近年は、日本企業でも役員などの幹部を社外から登用する際、リファレンスチェックを行うケースが増えてきています。重要なポジションを任せる人材であればあるほど、第三者に照会して採用のリスクを軽減しておくことは重要なプロセスといえるでしょう。