HR総研のアンケート調査で導入状況を聞いたところ、「導入している」企業は11%、「導入を検討中」の企業は23%。すでに導入したか検討している企業を合わせると3割程度である。ただし、企業規模「1001名以上」の大手企業に限れば、「導入している」12%、「検討中」38%で、合わせると5割に達する。大手先行で導入が進んできている状況である。
企業がタレントマネジメントシステムに注目する理由は何か。「導入の動機」を聞くと、最も多いのは「一般社員のパフォーマンスの見える化」(63%)。「育成の度合い」(51%)を把握できることや、「マネージャーのパフォーマンスの見える化」(49%)ができることへの期待も高い。
しかし一方で、なかなか導入が進まない現象もある。「タレントマネジメントシステム導入を阻害する要因」を聞くと、多いのは「予算」(48%)。ほかに「経営からの理解不足」(25%)、「現場の協力体制構築の難易度18%)もネックになっており、そもそも「自社に適したシステムがわからない」24%)場合もある。
以前はタレントマネジメントシステムというと初期投資のコスト負担が大きいイメージが強かったが、最近は低コストで導入できる製品が増えている。人事が使うだけのシステムではなく、経営にも、現場のマネージャーが組織の業績を上げることにも役立つというメリットを明確にした上で、サービス支援会社の力を借り、自社に最適なタレントマネジメントシステムの姿を導き出してはいかがだろうか。
昨今は、e-ラーニングシステムでもクラウドサービス型が普及し始めている。特に主流となりつつあるのは、スマートフォンやタブレット端末での利用を前提としたモバイルラーニング対応のシステム。動画配信機能を持つシステムには、動画教材に加え、自社のセミナーなどの様子を撮影して配信できるものもあるし、受講者同士が教え合えるSNS機能も最近のトレンドである。
「e-ラーニングシステムを選定する際の基準」を聞いたところ、上位は「サービスの豊富さ」「操作簡易性」「サポート体制」(いずれも37%)、「カスタマイズ力」(34%)など。社員にすきま時間を使って手軽に学習してもらえるe-ラーニングシステムであるためには、簡単に使えるユーザビリティが重要である。管理画面の使いやすさも確認した上で、サービス支援会社を選定するとよいだろう。