人事担当者は新任管理職研修に対して、どのような育成課題を感じているのだろうか。最も必要だと捉えられているのは「管理職としての役割認識」(80%)で、次が「リーダーシップ」(65%)である。そして、「課題解決力」(42%)、「チームビルディング」(34%)、「評価基準の理解」(27%)も身に付けなければならない。人事担当者のフリーコメントを見ると、「非管理職から管理職に変わるという意識転換ができない」、「管理者の管理スキルの脆弱さ」、「必要な教育がされないまま新任管理者となっている」など、自社の現状を危惧する声もあれば、「研修で実施した内容が職場で活かせない」と研修の効果を疑問視する声もある。やはり、最初の一歩としては、まず、しっかりマインドチェンジできるかどうかということが重要だろう。
企業の中核人材となる優れたマネージャーを養成するためには、どのような研修を行うことが効果的なのだろうか。HR総研のアンケート調査で「新任管理職社員研修の内容」を聞くと、多い順に「リーダーシップ」(69%)、「目標管理」(55%)、「コミュニケーション」、「コンプライアンス」(いずれも45%)、「意識改革」(44%)、「チームビルディング」(34%)となっている。身に付けるべき知識やスキルにはさまざまなものがあるが、問題は、それらを職場で実際に使えるかどうかである。
たとえば、コミュニケーションのメソッドを学んでも、部下が何を考えているのかわからない、課題や目標を共有できないというのでは困る。職場で活かせる研修内容になっているかどうかは、検証したいポイントの一つである。
マネージャー養成プログラムには、企業に講師を派遣し、企業内集合研修として行うものもあれば、幅広い企業の受講者が参加するサービス支援会社主催の公開コースもある。公開コースはいわば「他流試合」であり、異業種の受講者と切磋琢磨しながら学ぶことで、視野が大きく拡がり、その後の財産となる人脈づくりもできる。気になるプログラムがあればサービス支援会社に問い合わせ、自社の人材に効果のある研修を見つけていただきたい。