ある鉄道系不動産会社での流通売買部門の営業担当者は、全て契約社員です。
営業所の所長は正社員ですが、営業担当者は全て歩合制の契約営業社員なのです。
歩合の大きい仕事では、自分の数字のためにがんばる社員が多く、
動機付けもお金だけで済みますので、管理は楽です。
営業所の所長は正社員ですが、営業担当者は全て歩合制の契約営業社員なのです。
歩合の大きい仕事では、自分の数字のためにがんばる社員が多く、
動機付けもお金だけで済みますので、管理は楽です。
売り上げが上がらない営業担当は、契約を切ればよいので、余計な経費もかかりません。
しかも、鉄道系という強力な看板がありますので、それなりに沿線では知名度も高く、
物件も集まりやすいということがいえます。
しかし、歩合制の仕事ですと、どうしても一匹狼の集団が形成されやすくなります。
自分のことはやりますが、周りは関係ないので、後輩を育成するとか、
市場全体を考えて行動するとか、ということはやりません。
その会社の営業所長の仕事の中心は、「クレーム処理」や「契約内容の精査」なのです。
とにかく売れればいい、という感覚で営業担当者が動いていることは間違いないと思います。
このような会社では、「会社の同僚はすべてライバルである。
したがって、競争はあっても真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」という設問には、
「そう思う」と答える率は相当高いことが想定されます。
また同様に、「職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから、
人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである」という設問にも
「そう思う」と答える率は相当高いでしょう。
組織に協調的な行動を取る集団と、そうでない一匹狼の集団では、
どちらが高い業績を上げ続けることができるのでしょうか。
一時的には、一人ひとりが力を持ち、自らを動機付け一人で
がんばる一匹狼集団のほうが業績を上げることができますが、長期となると、
協調的な行動を取る集団のほうが業績を上げるということは、簡単に想像がつきます。
リッカートは「組織の行動科学」(ダイヤモンド社
1968年)の中で、ある会社の40ヶ所の営業所を調査した結果として、
「同僚集団忠誠の高い営業所では、その営業所自体で決定した目標を
達成しようとして皆が非常に努力をする」
「このような営業所のセールスマンが、共同コーチングや訓練、相互の激励や動機づけによって、
お互いに助け合っていることは明らかである」と結論付けています
(もっとも、前提条件として、
その営業所の所長が支持的行動=各人が人との人間関係の中で支持されているという
実感を持つような行動を取っていることというのはあります)。
協調性の高い集団が高い生産性であることは明白です。
「会社の同僚はすべてライバルである。
したがって、競争はあっても真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」と
「職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから、
人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである」の
二問の回答傾向は、どのようになっているのでしょうか?
「会社の同僚はすべてライバルである。したがって、
競争はあっても真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」
【そう思う4.0% わからない5.1% そう思わない90.9%】
2000年からの11年間、この数値は、1%内外で動くことはあっても、ほとんど変わっていません。
協調が重要ということは、理解しているようです。
「職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから、
人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである」
【そう思う11.6% わからない10.0% そう思わない78.4%】
こちらは、「そう思わない」という数値が77.2%~83.5%の間で揺れています。
「まず一匹狼になってもいいから」と描いていますので、
「まず、業績を上げなければならない」という思考が働くと、
「そう思う」と答えるのではないかと思います。厳しい就職戦線を勝ち抜いてきた
最近の新入社員は、自らの実力をつけることを第一に考えるのかもしれません。
両方の設問で「そう思う」と答えている新人の存在が気になるところです。
彼らは何を考えているのでしょうか?
(ちなみに、その割合は1.3%に過ぎませんが)データを抽出してみると、
次のような設問に「そう思う」と答える率が全体平均と比べて格段に跳ね上がります。
「企業では、百の知識より一つの成果の方が尊ばれるべきである
適職だとまず自分で思わないかぎり、
いくらさがし回っても見つかるものではない」
「会社は、自分で努力しようとしない人達の成長にまで、責任を持つ必要はない」
業績志向の高い、自助的な志向を持ち、仕事に前向きな行動傾向があると思われます。
実際とのところ、この「協調性のない」と思われるような社員こそ、
業績の原動力になっている可能性があります。
いわゆる、ちょっと尖がった社員です。彼らのような社員を生かす手を打つことが、
業績向上につながる道かもしれません。
そのためにも、社員一人ひとりの働く誘引につながるような考え方を理念や方針から導き出し、
行動を評価していく必要があります。
リッカートのいう「支持的行動」こそ、好業績社員を生かすマネジメントのあり方ではないでしょうか。
しかも、鉄道系という強力な看板がありますので、それなりに沿線では知名度も高く、
物件も集まりやすいということがいえます。
しかし、歩合制の仕事ですと、どうしても一匹狼の集団が形成されやすくなります。
自分のことはやりますが、周りは関係ないので、後輩を育成するとか、
市場全体を考えて行動するとか、ということはやりません。
その会社の営業所長の仕事の中心は、「クレーム処理」や「契約内容の精査」なのです。
とにかく売れればいい、という感覚で営業担当者が動いていることは間違いないと思います。
このような会社では、「会社の同僚はすべてライバルである。
したがって、競争はあっても真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」という設問には、
「そう思う」と答える率は相当高いことが想定されます。
また同様に、「職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから、
人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである」という設問にも
「そう思う」と答える率は相当高いでしょう。
組織に協調的な行動を取る集団と、そうでない一匹狼の集団では、
どちらが高い業績を上げ続けることができるのでしょうか。
一時的には、一人ひとりが力を持ち、自らを動機付け一人で
がんばる一匹狼集団のほうが業績を上げることができますが、長期となると、
協調的な行動を取る集団のほうが業績を上げるということは、簡単に想像がつきます。
リッカートは「組織の行動科学」(ダイヤモンド社
1968年)の中で、ある会社の40ヶ所の営業所を調査した結果として、
「同僚集団忠誠の高い営業所では、その営業所自体で決定した目標を
達成しようとして皆が非常に努力をする」
「このような営業所のセールスマンが、共同コーチングや訓練、相互の激励や動機づけによって、
お互いに助け合っていることは明らかである」と結論付けています
(もっとも、前提条件として、
その営業所の所長が支持的行動=各人が人との人間関係の中で支持されているという
実感を持つような行動を取っていることというのはあります)。
協調性の高い集団が高い生産性であることは明白です。
「会社の同僚はすべてライバルである。
したがって、競争はあっても真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」と
「職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから、
人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである」の
二問の回答傾向は、どのようになっているのでしょうか?
「会社の同僚はすべてライバルである。したがって、
競争はあっても真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」
【そう思う4.0% わからない5.1% そう思わない90.9%】
2000年からの11年間、この数値は、1%内外で動くことはあっても、ほとんど変わっていません。
協調が重要ということは、理解しているようです。
「職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから、
人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである」
【そう思う11.6% わからない10.0% そう思わない78.4%】
こちらは、「そう思わない」という数値が77.2%~83.5%の間で揺れています。
「まず一匹狼になってもいいから」と描いていますので、
「まず、業績を上げなければならない」という思考が働くと、
「そう思う」と答えるのではないかと思います。厳しい就職戦線を勝ち抜いてきた
最近の新入社員は、自らの実力をつけることを第一に考えるのかもしれません。
両方の設問で「そう思う」と答えている新人の存在が気になるところです。
彼らは何を考えているのでしょうか?
(ちなみに、その割合は1.3%に過ぎませんが)データを抽出してみると、
次のような設問に「そう思う」と答える率が全体平均と比べて格段に跳ね上がります。
「企業では、百の知識より一つの成果の方が尊ばれるべきである
適職だとまず自分で思わないかぎり、
いくらさがし回っても見つかるものではない」
「会社は、自分で努力しようとしない人達の成長にまで、責任を持つ必要はない」
業績志向の高い、自助的な志向を持ち、仕事に前向きな行動傾向があると思われます。
実際とのところ、この「協調性のない」と思われるような社員こそ、
業績の原動力になっている可能性があります。
いわゆる、ちょっと尖がった社員です。彼らのような社員を生かす手を打つことが、
業績向上につながる道かもしれません。
そのためにも、社員一人ひとりの働く誘引につながるような考え方を理念や方針から導き出し、
行動を評価していく必要があります。
リッカートのいう「支持的行動」こそ、好業績社員を生かすマネジメントのあり方ではないでしょうか。
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