三菱マテリアルが推進する「HRX」の目的とは
楠田氏 三菱マテリアルは天然資源を扱ってこられた企業で、岩崎弥太郎さんが創業して今年で151周年になると伺っています。時を経て、今年は「人的資本経営元年」といわれる中で、そのような歴史ある企業が、どのような人事トランスフォーメーションを推進されているのか、オーディエンスの皆さんとご一緒に学びたいと思います。では、野川さん、ご説明をお願いします。野川氏 まず、三菱マテリアルの会社概要を少しご紹介したいと思います。楠田代表からお話がありました通り、当社は炭鉱や鉱山業を事業のルーツとしています。現在は、銅鉱山、銅製錬の事業を主軸とする「金属カンパニー」を始め、銅加工や電子材料などの「高機能製品カンパニー」、さまざまなものづくりにおいて部品加工に必要な超硬製品を扱う「加工カンパニー」、エネルギー関連や環境リサイクル関連の事業を行う「環境・エネルギーカンパニー」という4つのカンパニー構成でビジネスを展開しています。ビジョンとして「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」を掲げ、社会的価値と経済的価値の両立を図るため、豊かな社会、循環型社会、脱炭素社会の構築に貢献することを目指している企業です。海外進出先の国・地域は31、連結対象子会社は126社を数え、売上高は日本と海外が約半分ずつ。従業員数は単体で6,200名ほど、連結で23,700名ほどとなっています。
当社は2021年に創業150周年を迎えましたが、この先もさらなる成長を目指して推進しているのが4つの経営改革です。最適なグループ経営形態を追求する「CX(Corporate Transformation)」、そして、「DX(Digital Transformation)」、「HRX(Human Resources Transformation)」、「業務効率化」という4つを柱とし、あらゆる側面から当社の変革に取り組んでいるところです。
この4つの経営改革のうち、本日お話しする当社の「HRX」は、変化に適応する自律的な人材の確保・育成に向けた人事制度、働き方の改革を行おうというもので、主な目的は3つあります。
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