「ウチの社員は危機感・やる気はあるのか?意見を求めても全然発言しない。」
「自ら提案し、責任を持って最後までやり抜くような社員が最近は見当たらない。」
コンサルティングの現場では、組織のリーダーからこのような声をよく耳にする。同様の思いを抱く読者も少なくないのではないだろうか。
「自ら提案し、責任を持って最後までやり抜くような社員が最近は見当たらない。」
コンサルティングの現場では、組織のリーダーからこのような声をよく耳にする。同様の思いを抱く読者も少なくないのではないだろうか。
不確実性が極めて高い現在の市場環境において、その市場に、日々最も近い場所でしのぎを削っているはずの現場の社員の声は、言うまでもなく貴重であり、確実に拾って活かすことができれば、それは企業体にとって重要な差別化の種となり得る。
しかし、そもそもの声が聞こえない。
だからといって、「君の意見を言いなさい」と繰り返し求めてみても、状況はおそらく変わらないだろう。何故なら上司の声は、「意見を言わない」その原因の根幹に触れるものではないからだ。
6ヘクタールの広大な丘一面が42万本の向日葵に覆われる宮城県大崎市にある「ひまわりの丘」に、家族と向かったのは昨年の夏、盆の帰省のことである。
雲ひとつない青空の下、風光明媚を味わうべく胸躍らせて上がった丘で、私と家族は驚きの光景を目にした。
そこには、首がだらりと垂れた一面の向日葵が待っていた。
申し分ない晴天の下、全て下を向いた向日葵。それは実に異様な空間であった。
すぐさまその施設のスタッフに理由を尋ねると、長雨と日照不足が原因であるとの答えが返ってきた。生育期に十分太陽に当たっていない向日葵は、生育後どんなに晴れの日の中にいても、もう顔を上げてはくれない、とのことであった。そのスタッフは、「もう今年は太陽を向くことはない」と言い切った。
この光景に、強い危機感を感じたことを今でも鮮明に覚えている。
2009年はリーマンショックの煽りを真正面から受け、世間は暗いニュースに覆われ、経済・経営の世界では、厳しい環境が長く続いた。組織で働く従業員にとっても「金銭/非金銭」を問わず、厳しい処遇が続いた。同じ年、天気の世界で曇りや雨の日が続いたように。
そして、2010年も半年が過ぎようとしている。時に苦渋の決断を繰り返しながら、一部でやや明るい兆しが見え始めているものの、全体としては未だ予断を許さない状況にある。
このような状況下で、あなたの会社の向日葵は、今、組織に太陽を見出せているだろうか?長い間、曇りや雨の日が続いた中で、下を向くことに慣れてしまってはいないだろうか?
もし、社員の声が聞こえてこないと思い当たる節があったなら、以下のような問いと共に組織を振り返る必要がある。
■会社の思いを「伝える」と同時に、社員の声を「聴く」機会はあったか
■社員の提案に「責任」と適当な「権限」を与えて、やり切ることをさせていたか
■社員の提案を、自らの不安から握り潰してはいないか…等
もし、組織から社員の声が消えてしまっているならば、その根本原因を特定し、ソフト・ハードの両面で解決策を講じる他ない。何より大事なのは、根本原因に向き合う姿勢そのものではないだろうか。
全社一丸の努力により、この霧が晴れたその日に見るものが、転職活動に精を出す社員の姿ではなく、彼らが会社のビジョンに向かってまっすぐに進む姿であるよう、会社や周りを信じて団結し、一層の業績拡大に弾みをつけられるよう、今だからこそ内部環境に目を向ける必要があるように思う。
太陽の光は、厳しい暑さであってもいい。灼熱の中で時には自ら裸になり、社員に語り掛け、そして声をよく聴く姿勢が、人の上に立つ人間には不可欠である。臆することなく、光を当て続けることが重要だ。この霧が晴れたその時に、決して、俯いてしまった向日葵にさせぬよう。
しかし、そもそもの声が聞こえない。
だからといって、「君の意見を言いなさい」と繰り返し求めてみても、状況はおそらく変わらないだろう。何故なら上司の声は、「意見を言わない」その原因の根幹に触れるものではないからだ。
6ヘクタールの広大な丘一面が42万本の向日葵に覆われる宮城県大崎市にある「ひまわりの丘」に、家族と向かったのは昨年の夏、盆の帰省のことである。
雲ひとつない青空の下、風光明媚を味わうべく胸躍らせて上がった丘で、私と家族は驚きの光景を目にした。
そこには、首がだらりと垂れた一面の向日葵が待っていた。
申し分ない晴天の下、全て下を向いた向日葵。それは実に異様な空間であった。
すぐさまその施設のスタッフに理由を尋ねると、長雨と日照不足が原因であるとの答えが返ってきた。生育期に十分太陽に当たっていない向日葵は、生育後どんなに晴れの日の中にいても、もう顔を上げてはくれない、とのことであった。そのスタッフは、「もう今年は太陽を向くことはない」と言い切った。
この光景に、強い危機感を感じたことを今でも鮮明に覚えている。
2009年はリーマンショックの煽りを真正面から受け、世間は暗いニュースに覆われ、経済・経営の世界では、厳しい環境が長く続いた。組織で働く従業員にとっても「金銭/非金銭」を問わず、厳しい処遇が続いた。同じ年、天気の世界で曇りや雨の日が続いたように。
そして、2010年も半年が過ぎようとしている。時に苦渋の決断を繰り返しながら、一部でやや明るい兆しが見え始めているものの、全体としては未だ予断を許さない状況にある。
このような状況下で、あなたの会社の向日葵は、今、組織に太陽を見出せているだろうか?長い間、曇りや雨の日が続いた中で、下を向くことに慣れてしまってはいないだろうか?
もし、社員の声が聞こえてこないと思い当たる節があったなら、以下のような問いと共に組織を振り返る必要がある。
■会社の思いを「伝える」と同時に、社員の声を「聴く」機会はあったか
■社員の提案に「責任」と適当な「権限」を与えて、やり切ることをさせていたか
■社員の提案を、自らの不安から握り潰してはいないか…等
もし、組織から社員の声が消えてしまっているならば、その根本原因を特定し、ソフト・ハードの両面で解決策を講じる他ない。何より大事なのは、根本原因に向き合う姿勢そのものではないだろうか。
全社一丸の努力により、この霧が晴れたその日に見るものが、転職活動に精を出す社員の姿ではなく、彼らが会社のビジョンに向かってまっすぐに進む姿であるよう、会社や周りを信じて団結し、一層の業績拡大に弾みをつけられるよう、今だからこそ内部環境に目を向ける必要があるように思う。
太陽の光は、厳しい暑さであってもいい。灼熱の中で時には自ら裸になり、社員に語り掛け、そして声をよく聴く姿勢が、人の上に立つ人間には不可欠である。臆することなく、光を当て続けることが重要だ。この霧が晴れたその時に、決して、俯いてしまった向日葵にさせぬよう。
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