講師
杉原 博茂 氏
Coltデータセンタサービス株式会社 バイス・プレジデント/アジア・太平洋地域・日本 代表(元日本オラクル株式会社 取締役会長)
元日本オラクル株式会社取締役会長、代表取締役社長CEO 米国オラクル社の上席副社長そして、日本HP常務執行役員、シスコシステムズ、EMC、オートメーション・エニウェア社・代表取締役社長等、37年間グローバルIT企業にて様々な経営マネジメント職を歴任する。日本・米・アジア・グローバル経営とデジタルトランスフォーメーションに精通。現在は、ハイパースケール・キャリアフリーデータセンター事業ロンドン本社のCOLT社で、日本を拠点として、アジア・太平洋地位域・日本における事業の統括・代表として活躍している。
宮田 昇始 氏
株式会社SmartHR 代表取締役・CEO
2013年に株式会社KUFU(現SmartHR)を創業。2015年に自身の闘病経験をもとにしたクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を公開。登録企業数は公開後約5年で30,000社を突破。2019年にはシリーズCラウンドで海外投資家などから62億円の資金調達を行う。
寺澤 康介
ProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研 所長
1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。8万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。
企業が継続して成長するうえで、もはやDXは不可欠
ジョブ型雇用へと変遷する日本のDXに最も大切なのは「速さ・軽さ・拡張性」 / Coltデータセンタサービス株式会社 バイス・プレジデント/アジア・太平洋地域・日本 代表(元日本オラクル株式会社 取締役会長)杉原 博茂 氏
私は38年間IT業界で仕事をしており、アナログからデジタルへと移行する時代の変遷を目の当たりにしてきました。ビジネスを行う上で重要なことは「継続して売上を上げること」、そして、「コストを下げて利益を成長させること」です。その結果、継続して企業価値を向上させ、より良いサービスを提供し、社会の人々に貢献することが命題です。では、これからの時代に何が必要かというと、「DX」です。日本企業のDX対応は、欧米と比較して遅れているというのはご存じの通りです。私はいろいろな企業でアドバイザリーボードや社外取締役に着任していますが、そこで感じるのは、日本企業のDX対応は「人任せ」だということです。ただし、現在のコロナ禍という状況によって、「これからは本当にDXが不可欠だ」という認識も、日本企業の経営層に広がりつつあります。
企業がDXに何を期待しているかというと、「業務効率化」と社員の「働き方改革」がトップにきています。特に経営がHRに求めることは、「人・データ・情報のインプットとアウトプット・分析」、「スピードと正確性」、「人材の確保と適材適所への配置」です。その中でのバズワードが、「RPA」「クラウド」「デジタルマーケティング/CRM」「BYOD」などです。
さて、最近のニュースで、「ジョブ型雇用」という言葉をよく見聞きします。これは、DXの時代との親和性が高いと言えます。古くは戦国時代にまで遡りますが、もともと日本人の雇用体系は「ジョブ型」だったといえます。それが、戦後の高度成長期に「メンバーシップ型」に変わりました。今また、戦国時代に近しいといえるような「VUCA時代」となり、ジョブ型が注目されています。
では、具体的にDXをどう実行するか、ポイントをお話しします。まず「問題点のトップ3」を紙に書き出します。次に、「どのようなことができれば幸せなのか」を記入します。これは、ITの世界でいう「アーキテクチャ」です。その中で、トライアンドエラーをしながらフィックスしていくわけです。
私のおすすめとしては、「実行する時に6ヵ月以内にパイロットができ、経営に対して見込める効果を伝えること」です。今の時代、軽くて速くて拡張性があること、費用対効果が計算できることが、DXにおける最も重要なコツです。今はクラウドベースのサービスプロバイダも豊富にあるので、チャンスだと思います。ぜひ、すぐにできることを進めてください。
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