久光の行動を支配したもの
久光は大久保に操られてように見えるが、彼自身は自らの意志に従い判断し、行動した。それは、「自身の欲するまま、感情のままに行動すれば叶う(因果理論)。なぜならばわれは選ばれた者だからである(観)。意のままに動け(心得モデル)」という片田舎で大事に育てられた御曹司が持つ「甘えの行動理論」である。
この甘えの行動理論が波紋が生じ、志あるものに利用されることで世が動いた。やはり行動理論が歴史を創るのである。
余談ながら、久光が東下する際、駿河路が曇天で富士が見えなかった。富士を見たことがなかった彼が詩を詠んだところ、雲が切れわずかに富士が見えた。「俺の歌の力だ」と日記に書き記しているそうである。
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