ラグビーワールドカップの日本の活躍は目覚ましいものがありました。特に注目を浴びたのは、やはり五郎丸選手でしょう。独特のポーズでキックを蹴る姿が話題になり、一大ブームを巻き起こしています。
五郎丸選手は、キックの際に毎回同じアクションをすることで行動そのものに集中し、雑念を取り払うことでキックの精度を高めています。「ここで外したらまずいな・・・」「難しい角度だけど大丈夫だろうか・・・」という不安が出ないように、何も考える必要のない状態をつくっているんですね。これをルーティンと呼ぶことはご存知の事と思います。

 しかし、仕事においてこのルーティンは良いことばかりではありません。会社に出社して同じ席に座る。同じようにパソコンを立ち上げる。目の前にはいつもの係長、隣にはいつもの後輩・・・。毎日同じような状態を繰り返すことで、仕事には慣れ、失敗も減り、精神的なストレスも軽減されるかもしれません。そう、「何も考える必要のない状態」になるのです。要するにルーティン、いわゆるルーチンワークになってしまうということです。
 確かに多くを考える必要がなくなると一見楽なのですが、当然マンネリ感が襲ってきます。要するに仕事に飽きてきて、面白味を感じられなくなるのです。段々と、前向きな気持ちも失われ、気持ちも沈んでくる・・・。そのような状態に陥ることも考えられます。
 同じようなことを同じようにやっているメンバーばかりで、新しい行動が起こらず、気持ちが沈んでいるチームは強いチームと言えるのでしょうか?

 以前、私自身、仕事がマンネリ化して気持ちが沈んでいた時に家内にこう言われました。「会社から、駅に行くルートを変えてみたら?」と。そんなことで何が変わるのかと思いながら、実際にやってみるとこれが意外に効果がありました。ちょっといつもと違うことをしただけで、気持ちが一気に新鮮になることを体感したのです。
 上司である我々は、チームがマンネリ化して気持ちが沈み、新しいことを生み出せなくなることを防がなくてはなりません。気持ちを新鮮に保つようなちょっとした工夫をすることが必要なのです。

 これまで、私がお会いしたクライアントのマネジャーでチームのマンネリ化を防ぐために行っていたちょっとした工夫を羅列します。


【1ヶ月に1回、必ず席替えをする(マネジャーの席も、ごちゃまぜにする)】

 非常に簡単な方法ですが、1ヶ月に1回という徹底ぶりには驚かされました。しかし、これを実施してから、オフィスの空気が明るくなったそうです。マネジャーも上座とは限りません。


【朝礼と夕礼を交互に行う】

 朝礼を毎日やっていると、これも儀式化してしまい、全く効果がなることがあります。そこで、偶数月は朝礼をし、奇数月は夕礼をするというやり方をしているクライアントもありました。気持ちの違いだけでしょうが、結構効果があったようです。


【違う部署の会議に用もなく参加する】

 当番制で、違う部署の会議に参加するというものです。他の部署が喧々諤々やっている様子は大変新鮮なようで、「ここも大変だな・・」と部門間の亀裂も減るとか。


【テキトーな会議をする】

 外に出ないと決まっている日に、敢えて私服でお菓子を食べながら会議をしている会社もあります。中には、就業後に会議室に缶ビールを持ち込んで会議をするケースもありました(もちろん毎回ではありません。ごくたまに)。いつもと違ったシチュエーションなので、アイデアが出るそうです。

マンネリを防ぐ「ちょっとした工夫」で、仕事上のルーティンから抜け出しましょう。
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