上司として強いリーダーシップを発揮する。そのことが、強いチームをつくる。
これは決して間違いではありません。しかし、「強いリーダーシップを発揮しなくてはいけない」という強迫観念から、全てを自分のコントロール下に置きたいと考える上司がいます。
これは決して間違いではありません。しかし、「強いリーダーシップを発揮しなくてはいけない」という強迫観念から、全てを自分のコントロール下に置きたいと考える上司がいます。
例えば、ミーティングでは、自分の思い描いた方向性に導くように強いコントロールを行ないます。そうすると、
「加藤、もう見積もりは作ったのか?」
「それは、月曜までにできるか?」
「このお客様には、今月中に提案できるんだろうな?」
といった投げかけが多くなります。これはいわゆる「限定質問」。YesかNoしか選択肢がありません。
いや、上司からそのように投げかけられたらYesしか言えないでしょう。
つまり、投げかけているようで、これは一種の命令です。
このようなミーティングでは、部下の考える力を奪ってしまいます。それどころか、「とりあえずYesと言ってその場を逃れよう」といった気持ちさえ湧き起こさせてしまいます。
本当に部下に創造的になってもらいたいのなら、こんな投げかけはいかがでしょうか?
「これをうまく進めるためにはどうすればいいかな?」
「このお客様についてどう思う?」
「何かいいアイデアない?」
「おいおい、そんな漠然とした投げかけで部下から意見が出てくるわけないだろ・・・」と感じたあなた。それはX理論です。X理論とは、人間は生来仕事が嫌いであり、仕事においては創造的な力を発揮しないという考え方。
もし、現在そのような漠然とした投げかけで意見が出てこない状況ならば、それはこれまでX理論で接し続けたが故に、自らがそのような状況を作り出してしまったのかもしれません。
一方でY理論とは、人間は条件さえ整えれば仕事が好きになり、仕事において創造性を発揮すると言う考え方。本当に部下の創造性を信じていれば、「きっと部下は色々とアイデアを出してくれるはず」と考え、思い切って漠然とした投げかけを行い、答えを待つはずです。
昨年、ダニエルピンク氏の「モチベーション3.0」という本が売れました。私もこの本を読んで、強い衝撃を受けました。
「人間は生まれながらにして創造性と自律性を兼ね備えている。」
それを、いかにして引き出していくかが今後の企業経営を左右すると言うのです。一見きれい事に聞こえますが、実際にそのような経営をしている企業が高い成果を出している。
自分は強いリーダーシップを意識しているが、部下の創造性を奪っているかもしれない・・・と感じた方は、是非一読をお薦めいたします。
部下が失敗をした時にどのような対応をしますか?
「お前、いいかげんにしろよ!何年この仕事をやってるんだ」と頭ごなしに叱りつける。
これは間違いでしょうか?
私の見解では、ケースによってこれは正解です。準備不足によってミスをしてしまったり、怠惰な姿勢でお客様にご迷惑をお掛けしたなどの場合(特にそのような事を繰りかえす場合)は厳しく叱ることも必要なのです。
ただ、気をつけたいのは思い切ったチャレンジをした結果、思うようにいかず失敗してしまった場合。
その際には、「良くやったが、今回は残念だったね」とねぎらうくらいの余裕が欲しいところ。その上で「どうすればもっと上手くいったのか?」を一緒に考えてあげることが大切です。
思い切ったチャレンジについて、上司は一目を置いてくれたという気持ちにすることが、次へのチャレンジにつながります。つまり、創造性を育てることにつながるのです。
逆に、そのような場合に叱り飛ばしてしまうと、「下手にチャレンジする事はリスクがある」という認識が強まり、創造性を弱めてしまう結果となります。
この話を聞いて、「それは当たり前だ」と感じる人も多いと思います。
しかし、部下のことを良く観察したり、よく話をしていない上司は、それがチャレンジした上での失敗なのか、単なる怠惰によるものなのかが判断できません。結果的に誤った対応をしてしまい、部下の成長を止めてしまうこともあり得ます。
なお、最もまずい対応は部下が失敗した際に「なにもしない」ことです。
特に「部下から嫌われたくない」という意識が強い上司は、「まっ、次から気をつけて」くらいで後は放っておくことも・・・。
このように「放っておく」対応をしてしまうと、部下の心理はどうなるでしょうか?
もしかすると、一時は「何も言われなくて良かった」と喜ぶ場合もあるでしょう。
しかし、そのような事が繰り返されると「この上司は、私に興味がないのではないか?」という感覚が出てきます。
部下が創造性を発揮するためには、職場(特に上司)に対する安心感があることが大前提です。例えば「上司は自分のことを見てくれている」「いざとなったら協力してくれる」といった感覚が必要なのです。
失敗からも部下の創造性を高められるか?
これからの上司に問われる課題です。 (つづく)
「加藤、もう見積もりは作ったのか?」
「それは、月曜までにできるか?」
「このお客様には、今月中に提案できるんだろうな?」
といった投げかけが多くなります。これはいわゆる「限定質問」。YesかNoしか選択肢がありません。
いや、上司からそのように投げかけられたらYesしか言えないでしょう。
つまり、投げかけているようで、これは一種の命令です。
このようなミーティングでは、部下の考える力を奪ってしまいます。それどころか、「とりあえずYesと言ってその場を逃れよう」といった気持ちさえ湧き起こさせてしまいます。
本当に部下に創造的になってもらいたいのなら、こんな投げかけはいかがでしょうか?
「これをうまく進めるためにはどうすればいいかな?」
「このお客様についてどう思う?」
「何かいいアイデアない?」
「おいおい、そんな漠然とした投げかけで部下から意見が出てくるわけないだろ・・・」と感じたあなた。それはX理論です。X理論とは、人間は生来仕事が嫌いであり、仕事においては創造的な力を発揮しないという考え方。
もし、現在そのような漠然とした投げかけで意見が出てこない状況ならば、それはこれまでX理論で接し続けたが故に、自らがそのような状況を作り出してしまったのかもしれません。
一方でY理論とは、人間は条件さえ整えれば仕事が好きになり、仕事において創造性を発揮すると言う考え方。本当に部下の創造性を信じていれば、「きっと部下は色々とアイデアを出してくれるはず」と考え、思い切って漠然とした投げかけを行い、答えを待つはずです。
昨年、ダニエルピンク氏の「モチベーション3.0」という本が売れました。私もこの本を読んで、強い衝撃を受けました。
「人間は生まれながらにして創造性と自律性を兼ね備えている。」
それを、いかにして引き出していくかが今後の企業経営を左右すると言うのです。一見きれい事に聞こえますが、実際にそのような経営をしている企業が高い成果を出している。
自分は強いリーダーシップを意識しているが、部下の創造性を奪っているかもしれない・・・と感じた方は、是非一読をお薦めいたします。
部下が失敗をした時にどのような対応をしますか?
「お前、いいかげんにしろよ!何年この仕事をやってるんだ」と頭ごなしに叱りつける。
これは間違いでしょうか?
私の見解では、ケースによってこれは正解です。準備不足によってミスをしてしまったり、怠惰な姿勢でお客様にご迷惑をお掛けしたなどの場合(特にそのような事を繰りかえす場合)は厳しく叱ることも必要なのです。
ただ、気をつけたいのは思い切ったチャレンジをした結果、思うようにいかず失敗してしまった場合。
その際には、「良くやったが、今回は残念だったね」とねぎらうくらいの余裕が欲しいところ。その上で「どうすればもっと上手くいったのか?」を一緒に考えてあげることが大切です。
思い切ったチャレンジについて、上司は一目を置いてくれたという気持ちにすることが、次へのチャレンジにつながります。つまり、創造性を育てることにつながるのです。
逆に、そのような場合に叱り飛ばしてしまうと、「下手にチャレンジする事はリスクがある」という認識が強まり、創造性を弱めてしまう結果となります。
この話を聞いて、「それは当たり前だ」と感じる人も多いと思います。
しかし、部下のことを良く観察したり、よく話をしていない上司は、それがチャレンジした上での失敗なのか、単なる怠惰によるものなのかが判断できません。結果的に誤った対応をしてしまい、部下の成長を止めてしまうこともあり得ます。
なお、最もまずい対応は部下が失敗した際に「なにもしない」ことです。
特に「部下から嫌われたくない」という意識が強い上司は、「まっ、次から気をつけて」くらいで後は放っておくことも・・・。
このように「放っておく」対応をしてしまうと、部下の心理はどうなるでしょうか?
もしかすると、一時は「何も言われなくて良かった」と喜ぶ場合もあるでしょう。
しかし、そのような事が繰り返されると「この上司は、私に興味がないのではないか?」という感覚が出てきます。
部下が創造性を発揮するためには、職場(特に上司)に対する安心感があることが大前提です。例えば「上司は自分のことを見てくれている」「いざとなったら協力してくれる」といった感覚が必要なのです。
失敗からも部下の創造性を高められるか?
これからの上司に問われる課題です。 (つづく)
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