ばたばたしてまた更新が遅れてしまいましたが、金沢大学も3月に入り2日から7日まで学内合同企業説明会を開催させていただきました。

 本学では2014年の10月から就職ガイダンスを開始し、全体としてはやや後ろ倒しでテーマ別のガイダンスを消化しておりました。ガイダンスへの参加学生数がここ数年の中でもとても少ない状況で、業界企業研究会の参加人数が大幅に下がるのではと心配していたのですが、ほぼ例年通りの人数(一日平均500~650人程度)の参加があり、ほっと胸をなでおろしております。
ただ、予想通り3月にはいってからようやく本格的に就活を始める学生が大半だったようで、最初の数日間は学生の動きにかなりぎこちない印象がありました。しかし今回は連続6日間の開催だったため、終盤にはそれなりに慣れていったようで、短期間にそれなりに仕上がっていったような印象です。

 来年からは新幹線が開業しているので変化があるかもしれませんが、現時点では、地方大学の学生が頻繁に首都圏に行って就活を行う、他の大学の学生と情報交換しながら就活を行う、といった行動があまりできていないようで、そういう意味では今回の合同企業説明会に多くの企業に足をお運びいただき、学生に短期間で様々な情報に触れさせていただく機会をいただけたことは、本学の就職支援にとても有効であったと感じております。

 今年度は、就活後ろ倒しの関係で3月初旬に多くの大学が学内合同説明会を開催することから、本学の合同企業説明会への申し込み企業数が減るのでは、と懸念しておりましたが、逆に昨年を100社近く超える企業からのお申し込みをいただき、結果的にはお申しこみいただいた企業の約3分の1の企業様に対して、お断りせざるを得なかったことを書き加えさせていただきます。
 ちなみに次年度は3月2日~4日、土日を挟んで7日~9日での開催を計画しております。引き続き本学の学生の就職にご配慮を賜りいただきたくよろしくお願いいたします。
 
 さて、そんな状況で2016年卒採用は始まったのですが、すでに内定をもらっている学生がちらほらと出始めているような状況です。感覚値ですが、このコラムを書いている3月31日現在で内定を得ている学生は数%といったところでしょうか?
 これも感覚値になってしまいますが、内定先で就活を終了したという報告はほとんど聞いていない状況です。就活時期の後ろ倒しにともなって選考開始時期を前倒しする企業が増えてきたこと、さらに長期化を想定した追加募集を繰り返す企業が多そうなこと、加えてキャンパスリクルーティング戦略にもとづいたターゲット校選定を行う企業が増えていることから、もしかしたら金沢大学の学生は戦後もっとも売り手市場になっているかもしれない、とすら感じております。

 このような状況の中で、ガイダンスを通じて学生に繰り返し話していることがあります。「君たちの就活についてはまったく心配していないが、社会人としての今後にはとても不安を持っている」と。
 これは、昨年から増えているケースなのですが、企業研究も自己理解も不十分な学生が安易に内定をもらってしまい、これ以上否定されるのも嫌なのでそこで就活を終了してしまう、というパターンがさらに多くなるのでは、ということです。
 就活を始めるまで自分を否定された経験の少ない学生にとって、お祈りメールを受け取ることはかなりのダメージになっています。我々就職支援を行う立場からすると、そうした状況にうまく関わって自己変革のきっかけを与えることが我々の腕の見せ所であり、こうした気づきから行動変革を行うことで、最終的に満足感の高い形で就活を終えるという経験が、社会に出て働く上でとても大きな財産になると考えているのですが、そうした成長と気づきのチャンスを得ることなく社会に出て行ってしまう学生が増えるのでは、ということに大きな懸念を抱いております。

 最近はインターンシップの仕組みづくりやそのほかもろもろのキャリア教育に関わる仕事が増えてきており、学生と個別に接する機会があまり作れないのですが、上記の流れを意識して厳しい指導をするように心がけておりまして、もしかしたら学生たちをビビらせてしまっているかもしれません(笑)。

 しかし、本学も現在、「学修成果の見える化」の推進や「グローバル人材の育成」というミッションを掲げ、改革に着手し始めている状況にあるので、就職活動というイベントをどうやって本学学生の人材育成に活用するか、という考え方を持たざるを得なくなっているような状況だと思っています。
 私自身も勉強しながらいろいろ取り組んでいる状況ではあるのですが、気づきと自己変革から自律的成長を促すという仕組みと仕掛けを、どう構築するかということにつきるのではと思っております。

 我々就職支援に関わるものも、従前のような学生が内定をもらうための支援ではなく、先述したような学生の内発的な変化と成長を促進する関わり方について、今までとは異なる視点とスタンスで学生と関わっていく必要があるのではと思っています。
 キーワードは現時点では「コーチング」と「ファシリテーション」かな、と思っています(あくまで現時点ですので今後変わるかもしれませんが(笑))。

 私たちのような学生と接するものが、まず変わっていかないといけないように感じております。おじさん、おばさんは若者にはついつい話しすぎてしまうことが多いようで、まずはそこから改めていかないとだめですね~(笑)

 では今回はこのあたりで・・
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