(効果的なリクルーター制度の構築と活用方法)
2016 年度の採用スケジュールは、リクナビの企業広報オープンが3月まで後ろ倒しになるなど、現状と大幅に変わります。この結果、リクルーターなどを活用し、学生へ早期のアプローチを行う企業が増えそうです。本コラム第2回目は、16卒採用で勝てる!ための、効果的なリクルーター制度の構築と活用法をお伝えします。
1.リクルーターの役割
採用スケジュールの変更を受け、企業の不安要素は
・優良母集団の構築ができないのではないか
・学生が自社について理解が深められないのではないか
・学生の自社に対する志望度が上がらないのではないか
の3 点です。これらのリスクを補う方法の一つが「リクルーター制度」です。

リクルーターが実現できることは
・採用広報が始まる3月以前の早期接触
・OB訪問などによる学生への企業情報提供
・簡易なアセスメントによる選考開始以前の学生選別
これらは来期採用の課題解決にかなり役立つと考えられます。

2.リクルーター制度の構築方法
・リクルーター部隊をどう構築するか?
採用が主なミッションではない社員をリクルーターとして抜擢し、活動させるためには社内から反対意見が出るという悩みをよく聞きます。それを克服するためには「組織のトップがリクルーター制度に対して積極的な姿勢を見せる」ことが大切です。
トップ自ら優秀人材採用の重要性を訴えることで、組織や部門の壁を越えての人選を可能にします。
また、リクルーター制度を運用する前に「採用活動における社内の協力ルールを策定」しておくことも重要です。
例えば、学校訪問は業務活動とするのか、学生と接触時の飲食費はどう取り扱うのか、さらに出張旅費の精算ルールなどを事前に取り決め、明示しておくことで、リクルーターが動きやすい環境をつくりましょう。

最後のポイントは、「他部門の採用協力者を作る」ことです。

例えば優秀な技術者が欲しい技術系部門長、社内の活躍している社員など、まずは採用に関心がある社員へ協力を依頼し味方を増やしていくことで、リクルーター制度を組織に浸透させやすくなります。また、協力者は組織に影響力のある人物も適任ですが、内定者が優秀な人材を自社に紹介してくれる、といったこともあります。ぜひ、内定者の段階から会社の一員としての意識を高め優秀な人材を取り込みましょう!

・リクルーターの選出基準
これまではA 大学のリクルーターにはA 大学の出身者、というように出身大学でリクルーターの人選を行っていたのではないでしょうか。しかし、同じ出身大学であっても非協力的なリクルーターの場合は、学生が魅力を感じてくれません。出身大学で無くともリクルーター活動に協力的で、かつ学生が憧れるような人材をリクルーターにしましょう。
そのほかの基準として、例えば理系は同じ出身大学より専攻が同じである方が効果的ですし、さらに大学の後輩の場合は、つながりのある入社3年目までの人間を出来るだけ入れるほうが戦力となってくれるでしょう。

・リクルーターの意識付けや教育方法
「どんな人材がなぜ欲しいのか」「採用で伝えたい自社の魅力」「今年の採用計画」は必ずリクルーターに具体的に伝えて理解してもらいましょう。
具体的に伝える方法として、貴社が採用適性検査で見極めている学生のヒューマンスキル、ストレス耐性、コミュニケーション力などの項目とそのチェック方法も伝えると貴社が求めている人材を集めてくれるようになります。

事例紹介:リクルーター教育の実施で学生の選抜と志望度の向上を実現!
メーカーのS社は、リクルーター制度を構築し選抜されたリクルーターに対してリクルーターの役割とは何かや学生の選抜方法、志望度を上げるための方法などを教育したところ、単なるやらされているリクルーター活動ではなく人事と同じ目線で活動してくれるようになりました。結果、学生の自社に対する志望度が上がり、企業の理解度も深まったため、リクルーター制度を戦略的な採用活動と位置づけ、今後もリクルーター教育に力を入れたい、と話しています。
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