仕事をうまく進めるためには「上司を活用する」ことが重要です。
上司とうまくコミュニケーションを取り、上司を活用しているメンバーは、多くの場合
効果率的に成果を挙げることが出来ています。
私たち上司は「活用できる」上司になることが求められます。
 
メンバーの「上司活用法」として最も多いのが、「アドバイスを求める」ことです。
お客様のこと、社内のことを問わず、上司に相談してよいアドバイスを引き出せば、自分が行動する際の参考になり、仕事がはかどるのです。
私たち上司も、メンバーがどのような事を考えているのか、何に悩んでいるのかがわかりますので、そのように活用されるのは大いに歓迎すべきです。
一方で、「課長、今度○○商事に提案を行うのですが、どのような内容が良いと思いますか?」など、完全に丸投げの相談を持ちかけられるのは困りものです。
私たち上司は一からアドバイスを考えなくてはならず、時間が掛かります。
また、実際にお客様を担当しているメンバーよりも持っている情報が少ないわけですから、アドバイスの内容がズレることも考えられます。
結果的に、「この上司のアドバイスはあまり良くない・・・」と自分自身の評価を下げてしまうことにもなりかねません。

ではどうすればよいのか?

メンバーがアドバイスを求めてきた際には、「あなたは、どうすれば良いと思っているか教えてもらえる?」とまずはメンバーが考えているアイデアを聴くことです。
現場を知っているメンバーのアイデアをたたき台にしてプラスαのアドバイスをすれば、内容がズレることはありません。また、メンバーからすると「私が出したアイデアを活用してくれた」と内心嬉しいはずです。
何よりも、メンバーのたたき台を活用することで、即座にアドバイスを出すことができますから、時間が掛かりません。

そもそも、「どうすればよろしいでしょうか?」と丸投げの相談をしてくるメンバーは
上司を活用しようとしているのではありません。単に上司に依存しているだけです。
依存心が強いメンバーの相談に、毎回熱心に答えていると、逆に依存心を強めてしまいます。

そこで、お勧めしたいのは上司に相談する際は、「自分のたたき台のアイデアを必ず持ってくる」ように仕向けることです。丸投げ相談をしてきたメンバーに対しては、「自分のアイデアを考えてから、もう一度来てもらえる」と指導します。
ミーティングや朝礼などで、「人に相談する際は、不完全でも良いからまずは自分のアイデアを話したほうが、大きな収穫を得ることができる」等と話しておくことも一案です。
一見親切で面倒見良い上司ほど、メンバーの丸投げ相談への解答を熱心に考え、親切に教えすぎ、結果的に依存心を強くしてしまっています。
本当に面倒を見たいなら、自分でアイデアを出させることです。
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