変革のスピードがますます加速するなか、企業は持続的な成長に向けてさまざまな試行錯誤を繰り返している。だが、成果を導くのは容易ではなく、経営者は人材開発や組織開発をいかに進めていけば良いのかと悩んでいる。そうした状況のなか、社員の幸せと企業の永続的な成長を実現し続ける会社がある。「かんてんぱぱ」の愛称で知られる伊那食品工業だ。毎年少しずつであっても着実な成長を目指す「年輪経営」のもと、「いい会社」づくりを実践してきた同社の経営哲学には学ぶところが多い。
そこで、今回はベストセラー「7つの習慣」を世に送り出し、持続的な行動変容を生み出す人材開発・組織開発のプログラムを提供するフランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の竹村 富士徳氏と伊那食品工業の代表取締役社長 塚越 英弘氏による対談を実施。社員の思考や行動をいかに習慣化し、企業文化として醸成・浸透させていくか。そのヒントを紐解いた。
そこで、今回はベストセラー「7つの習慣」を世に送り出し、持続的な行動変容を生み出す人材開発・組織開発のプログラムを提供するフランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の竹村 富士徳氏と伊那食品工業の代表取締役社長 塚越 英弘氏による対談を実施。社員の思考や行動をいかに習慣化し、企業文化として醸成・浸透させていくか。そのヒントを紐解いた。
プロフィール
伊那食品工業株式会社 代表取締役社長
日本大学 農獣医学部卒業後、CKD株式会社に入社。その後1997年に伊那食品工業に入社し、購買部長や専務を歴任、2016年から代表取締役副社長。2019年2月に代表取締役社長に就任し、現在の最高顧問である塚越 寛氏よりバトンを受け継ぐ。
塚越 英弘 氏フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社 取締役副社長
1995年、旧フランクリン・クエスト社の日本法人に入社。経営企画、経理全般、人事、プランナー関連商品の開発、販売、物流など多岐に渡って担当する。同社の売上高向上および利益改善に大きく貢献し、1998年コヴィー・リーダーシップ・センターとの合併に伴い、フランクリン・コヴィー・ジャパンにて最年少で取締役に就任。米国本社との折衝はじめ、日本国内における同社事業の再構築の指揮を執り、2000年取締役副社長に就任。
国立大学法人筑波大学 客員教授
竹村 富士徳 氏
生活基盤の整備と主体的な社員の育成に注力
竹村 富士徳氏(以下 竹村) 本日は、伊那食品工業株式会社の代表取締役社長・塚越様と企業文化の定着・継承についてお話をしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。塚越 英弘氏(以下 塚越) よろしくお願いいたします。私は1997年に伊那食品工業に中途入社しました。当社は、私の父である最高顧問の塚越 寛が創り上げた会社です。私は、それを引き継ぐ立場として、2019年から社長を務めています。
竹村 多くの企業では人材が大切だと言うものの、実際には目先の数字に追われがちです。御社は何故そこができているのかを、教えていただけますか。
塚越 根本にあるのは、「いい会社をつくりましょう」という社是です。会社の一番の目的は、社員が幸せになること。それがすべてのスタートラインです。これは、最高顧問が何万回も社員の前で言っています。ただ、会社として実践しなくてはいけません。当社がやっているのは、毎年社員の給料を増やすこと。そのために、皆で頑張っています。
竹村 「7つの習慣」の第7の習慣に「刃を研ぐ」があります。肉体、社会・情緒、精神、知性と言う4つの側面をバランス良く磨き、向上させていくことを説いています。肉体と言うのは、身体的な健康だけでなく、経済的にも満たされていくことで、すべてのベースになっています。
塚越 生活の基盤を整えることが一番大事であって、しかも毎年増えると言うのは安心感・希望にも繋がります。それと、当社では目標数字を作らないことにしています。自分で考え、決めて行動するからやる気が出てきます。もちろん、現場ごとの目標も自分たちで作ってもらいます。それを、私たちは聞いたりはしますが、取りまとめはしません。
竹村 やる気は人間関係も重要になってきます。人とのつながりも上手く取り組まれているという印象です。
塚越 人を配置する時には、最大限考えます。能力よりもむしろ、そちらを重視しています。
竹村 企業文化は、人間関係によって作られるところがあります。その辺りのところは、環境を整える中で色々配慮されていると思いました。ところで、御社では社員の方々が社員旅行をとても楽しみにされているご様子です。
塚越 コロナさえなければ絶対行っています。これにも仕掛けがあります。もう20年ぐらいスタイルを変えていないのですが、行き先を自分で選べるようにしています。ルールは一つだけ。一回だけグループの全員が集まって食事をするということです。あとは、すべて自由行動です。
竹村 「7つの習慣」の第7の習慣に「刃を研ぐ」があります。肉体、社会・情緒、精神、知性と言う4つの側面をバランス良く磨き、向上させていくことを説いています。肉体と言うのは、身体的な健康だけでなく、経済的にも満たされていくことで、すべてのベースになっています。
塚越 生活の基盤を整えることが一番大事であって、しかも毎年増えると言うのは安心感・希望にも繋がります。それと、当社では目標数字を作らないことにしています。自分で考え、決めて行動するからやる気が出てきます。もちろん、現場ごとの目標も自分たちで作ってもらいます。それを、私たちは聞いたりはしますが、取りまとめはしません。
竹村 やる気は人間関係も重要になってきます。人とのつながりも上手く取り組まれているという印象です。
塚越 人を配置する時には、最大限考えます。能力よりもむしろ、そちらを重視しています。
竹村 企業文化は、人間関係によって作られるところがあります。その辺りのところは、環境を整える中で色々配慮されていると思いました。ところで、御社では社員の方々が社員旅行をとても楽しみにされているご様子です。
塚越 コロナさえなければ絶対行っています。これにも仕掛けがあります。もう20年ぐらいスタイルを変えていないのですが、行き先を自分で選べるようにしています。ルールは一つだけ。一回だけグループの全員が集まって食事をするということです。あとは、すべて自由行動です。
竹村 かなり自主性、主体性がありますね。非日常の楽しみでありながら、他部署の方々とのつながりもある。さらに、そこで主体的になって自分たちで考え動いていくというのは、これも一つの教育であったりします。他にも、貢献感に取り組んでいるところも大きなモチベーションになる気がします。
この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●目先の数字に追われない。「人」を大切にする伊那食品工業がブレずに掲げる社員への想い
●目標達成を実現する組織力を醸成するヒミツとは?
●社員のパフォーマンスを最大化させるために必要なこと
●社員の人格形成を促す「2つの教え」
●企業が成長するための「たくましさ」と「おもいやり」を生む重要なキーワード
この後、下記のトピックが続きます。
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●目先の数字に追われない。「人」を大切にする伊那食品工業がブレずに掲げる社員への想い
●目標達成を実現する組織力を醸成するヒミツとは?
●社員のパフォーマンスを最大化させるために必要なこと
●社員の人格形成を促す「2つの教え」
●企業が成長するための「たくましさ」と「おもいやり」を生む重要なキーワード
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