大手企業と地方企業の採用について、もっとも大きなギャップを感じるのは「女性に対する採用スタンス」です。
北陸という地域性もあるのかもしれませんが、北陸の企業ではほとんどの企業が本音の部分では「できれば男性」という要望をお持ちのようです。中にははっきりと「男性のみ」とおっしゃる企業もあります。
北陸という地域性もあるのかもしれませんが、北陸の企業ではほとんどの企業が本音の部分では「できれば男性」という要望をお持ちのようです。中にははっきりと「男性のみ」とおっしゃる企業もあります。
せっかく求人をいただいているので、立場上それをお断りすることもできません。だからといってその情報をそのまま学生に伝えることもできないので、こういう場合、この求人に興味がある人は就職支援室に問い合わせるように学生に告知し、問い合わせに来た学生にそこでこっそり状況を伝えるなどの対応をとっています。
北陸の企業の人事の方とお話していると、応募学生の評価として「明らかに女子学生の方が元気がいい! 優秀だ!」という声も多く聞かれます。優秀なのに仕事がないという状況がいまだに続いているのが非常に残念に思います。
ただ、これは採用の現場だけではなく、北陸ではビジネスでバリバリ活躍している女性の数自体が少ないように感じます。先日も東京に出張して、丸の内、八重洲あたりをうろうろしていたのですが、30歳代や40歳代とおぼしき(20歳代でしたらお許しください)女性の方達が、オフィス街を颯爽と歩いている姿を数多く見ました。
通勤時間帯のJR金沢駅では、同じ年代の女性の通勤者自体があまり多くないように感じます。そもそも大学に求人のご挨拶に来られる人事部門の方でも、北陸の企業で女性管理職の方はほとんどいらっしゃらないようです。東京で私が働いていた会社では、総務や広報、CSR部門などに私と同年代の女性管理職が複数名いて、仕事柄よく相談する機会も多かったので、「ここまで仕事を続けるのは大変だったのよ~」という生々しい話を何度か聞いたことがあります。
1986年に施行された男女雇用機会均等法以降、最初の頃に採用された世代は、やはり相当いろいろな軋轢や苦労があったと思います。でも、彼女たちがそれらを乗り越えて活躍してきた結果、大手企業では女性の活躍の場がどんどん広がっています。そういう意味では、北陸の企業は大手企業に比べて20年以上の遅れがあるように感じられます。
なぜこれほどまでに、北陸の企業の女性の活用が遅れてしまったのでしょうか?
北陸の企業の人事の方と話していると、この部分に問題意識を持っている方は少なくなく、もっと積極的に採用、活用すべきという考え方をお持ちの方は多いようです。
ではなぜこのような人事の問題意識が経営層にうまく伝わらないのか?
これは、北陸の主要企業の多くがオーナー企業であることに関係があると考えています。創業者もしくは2代目、あるいは3代目に当たる方が経営をやっている会社が多く、創業者の方は高齢の方が多いために、やはり昔ながらの価値観で考えている方が多いです。自分の力で会社を成長させてきたという自負心をお持ち方も多いため、良い意味でも悪い意味でもご自分の考えを変えようとはなさらない方が多いといえるでしょう。
2代目、3代目の方は、最初からいずれ継ぐことを宿命づけられているため、事業部門の経験を積んでから社長に就任される例が多いものの、革新を行うというよりは従来方式の踏襲とノウハウの継承を中心に経験を積まれることが多く、人事部門での実務経験を経ずに社長に就任されることが多いことが、こうした雇用環境の変化に対する感度を磨く機会が少ないように思います。
さらに北陸には、「ニッチTOP」と呼ばれる特定分野でシェアNO1という企業が多く、独自性を維持しようとする気風が強いことも、こうした雇用分野における外的変化への対応を鈍くしている要因の一つとなっているとも思います。
こうした男性重視の採用マインドは日本独自のもので、このマインドを引きずったままグローバル展開に向かうと、現地での採用に間違いなく支障が出てくると思います。現地採用した優秀な女性人材から先に辞めていくという状況に陥る可能性が高いでしょう。まだ進出して間もないので、そのあたりの問題は表面化していないように感じますが、グローバル化はもはや北陸の企業にとっても避けられない課題ですので、こうした男性偏重のマインドも早急に改善すべき時期に来ていると思います。
逆にいえば、いち早く積極的な女性活用の姿勢を打ち出すことができる企業には、かなり優秀な人材が集まるともいえるでしょう。
私事で恐縮ですが、20年くらい前のこと。
採用担当をやっていた会社の海外営業部門から「語学力のある優秀な学生を男女不問で採用しろ!」という使命を受けたことがあります。当時在籍していた会社はまだ規模も小さく知名度も低い状態でしたので、なかなかの無茶振りでしたが(笑)、そのころはハローワークでUターン希望学生の個人情報が閲覧できたので、そこに登録している上位校大学の女子学生に一人ずつ電話して、結果的には年に数名ずつ採用していました(いきなり電話したのですごく怪しがられることも多かったですが・・・)。
当時、北陸の企業で語学力のある女性を採用する企業がほとんどなく、この方法はかなり有効でした。首都圏の大手企業の内定をひっくり返して入社にこぎつけたことも多かったです。
では、今回はこのあたりで・・・。
北陸の企業の人事の方とお話していると、応募学生の評価として「明らかに女子学生の方が元気がいい! 優秀だ!」という声も多く聞かれます。優秀なのに仕事がないという状況がいまだに続いているのが非常に残念に思います。
ただ、これは採用の現場だけではなく、北陸ではビジネスでバリバリ活躍している女性の数自体が少ないように感じます。先日も東京に出張して、丸の内、八重洲あたりをうろうろしていたのですが、30歳代や40歳代とおぼしき(20歳代でしたらお許しください)女性の方達が、オフィス街を颯爽と歩いている姿を数多く見ました。
通勤時間帯のJR金沢駅では、同じ年代の女性の通勤者自体があまり多くないように感じます。そもそも大学に求人のご挨拶に来られる人事部門の方でも、北陸の企業で女性管理職の方はほとんどいらっしゃらないようです。東京で私が働いていた会社では、総務や広報、CSR部門などに私と同年代の女性管理職が複数名いて、仕事柄よく相談する機会も多かったので、「ここまで仕事を続けるのは大変だったのよ~」という生々しい話を何度か聞いたことがあります。
1986年に施行された男女雇用機会均等法以降、最初の頃に採用された世代は、やはり相当いろいろな軋轢や苦労があったと思います。でも、彼女たちがそれらを乗り越えて活躍してきた結果、大手企業では女性の活躍の場がどんどん広がっています。そういう意味では、北陸の企業は大手企業に比べて20年以上の遅れがあるように感じられます。
なぜこれほどまでに、北陸の企業の女性の活用が遅れてしまったのでしょうか?
北陸の企業の人事の方と話していると、この部分に問題意識を持っている方は少なくなく、もっと積極的に採用、活用すべきという考え方をお持ちの方は多いようです。
ではなぜこのような人事の問題意識が経営層にうまく伝わらないのか?
これは、北陸の主要企業の多くがオーナー企業であることに関係があると考えています。創業者もしくは2代目、あるいは3代目に当たる方が経営をやっている会社が多く、創業者の方は高齢の方が多いために、やはり昔ながらの価値観で考えている方が多いです。自分の力で会社を成長させてきたという自負心をお持ち方も多いため、良い意味でも悪い意味でもご自分の考えを変えようとはなさらない方が多いといえるでしょう。
2代目、3代目の方は、最初からいずれ継ぐことを宿命づけられているため、事業部門の経験を積んでから社長に就任される例が多いものの、革新を行うというよりは従来方式の踏襲とノウハウの継承を中心に経験を積まれることが多く、人事部門での実務経験を経ずに社長に就任されることが多いことが、こうした雇用環境の変化に対する感度を磨く機会が少ないように思います。
さらに北陸には、「ニッチTOP」と呼ばれる特定分野でシェアNO1という企業が多く、独自性を維持しようとする気風が強いことも、こうした雇用分野における外的変化への対応を鈍くしている要因の一つとなっているとも思います。
こうした男性重視の採用マインドは日本独自のもので、このマインドを引きずったままグローバル展開に向かうと、現地での採用に間違いなく支障が出てくると思います。現地採用した優秀な女性人材から先に辞めていくという状況に陥る可能性が高いでしょう。まだ進出して間もないので、そのあたりの問題は表面化していないように感じますが、グローバル化はもはや北陸の企業にとっても避けられない課題ですので、こうした男性偏重のマインドも早急に改善すべき時期に来ていると思います。
逆にいえば、いち早く積極的な女性活用の姿勢を打ち出すことができる企業には、かなり優秀な人材が集まるともいえるでしょう。
私事で恐縮ですが、20年くらい前のこと。
採用担当をやっていた会社の海外営業部門から「語学力のある優秀な学生を男女不問で採用しろ!」という使命を受けたことがあります。当時在籍していた会社はまだ規模も小さく知名度も低い状態でしたので、なかなかの無茶振りでしたが(笑)、そのころはハローワークでUターン希望学生の個人情報が閲覧できたので、そこに登録している上位校大学の女子学生に一人ずつ電話して、結果的には年に数名ずつ採用していました(いきなり電話したのですごく怪しがられることも多かったですが・・・)。
当時、北陸の企業で語学力のある女性を採用する企業がほとんどなく、この方法はかなり有効でした。首都圏の大手企業の内定をひっくり返して入社にこぎつけたことも多かったです。
では、今回はこのあたりで・・・。
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