あなたは約束の時間に対して、どのような行動をとっているだろうか。約束の時間とは、仕事なら締め切り、着地点だ。
①余裕で完了
②一応完了
③全力疾走でなんとかセーフ
④締め切り過ぎても相手を拝み倒してなんとかする
①余裕で完了
②一応完了
③全力疾走でなんとかセーフ
④締め切り過ぎても相手を拝み倒してなんとかする
締め切りすぎても何とかしてしまう文化もあるが。。。
ン十年も前のインドで体験した飛行機の発着時間はすごかった。④の乗客はいるかもしれないが、時間はあってないようなものだった。予約した国内線に予約確認の電話をするのだが、曖昧だった。最後は“いつか飛ぶよ!”と悟り、プロペラが回らない時はちょっとつつくんだ!?に、そうか、、と。インド最初の着地点はカルカッタ。空港でタクシーに乗るにも値段の交渉をし、商談が成立しないと車のトランクから荷物を降ろされる。早く出発するには交渉を成立させなければならなかった。やっと決まったタクシーでホテルに向かう沿道には生死不明と思える人々がぞろぞろ横たわっていた。タクシーに乗る自分は映画の主人公になっていた。当地の暑さに加え、人の密度が醸し出す熱気と今だかつて見たことのない風景の展開に圧倒されている自分の姿が見えるのだ。滞在中、バスは乗ったが汽車を利用する元気は出なかったと記憶している。インドから帰って1ヶ月間はカルチャーショックで事務所の机の下にうずくまって寝るなど、行動がおかしかった。今のインドは違うだろうか。
日本の交通機関の時間の正確さは格別である。時間感覚の話は、安全第一、時間正確をよしとする、日本の誇るべき文化を前提としている。
松下幸之助氏は、著書“道をひらく”の中の一遍、しかも早く、で“今日は、時は金なりの時代である。一刻一秒が尊いのである。だから念入りな心配りがあって、しかもそれが今までよりさらに早くできるというのでなければ、ほんとうに事を成したとはいえないし、またほんとうに喜ばれもしないのである。早いけれども雑だ、というのではいけないし、ていねいだがおそいというのもいけない。念入りに、しかも早くというのが、今日の名人芸である”とおっしゃっている。
時折、読んでは心あらたにする。特に、念入りな心配り、という点が私には痛い。平易な表現でありながら奥が深い。
「緊急度:重要度」でみる時間感覚を表す4領域
時間感覚も個人差がある。忙しい、忙しい。本当に忙しいのか? 余裕がないと人はミスも犯す。一息いれて、何をしていて“忙しい”、のか振り返ってみよう。まずは時間の使い方の棚卸をする。自分の1ヶ月分の業務を細かいこともすべて書き出してみる。時間換算して下記に示す各領域に%で振り分ける。
自分はどの領域に属しているか。忙しさ、懸命さの中身を見つめてみる。
第1領域は降り掛る火の粉を払うのに忙しい。明日使う資料作成やクレーム処理に懸命だ。
第3領域はおつきあいに忙しい。電話対応やメールの返事に追われる。意味不明の会議も。
第4領域はひま、ということ。
第2領域は準備・計画、投資のための時間。
リーダーになるほど、第2領域の時間の多寡がものを言う。
忙しくて、本を読む時間も、勉強する時間もない中どうしたら第2領域を増やし、将来へ向かった仕事ができるのだろうか。
“今やることを全部やってから残っている時間を充てる”方法では一生その時間は巡ってこないだろう。
目標を書くこと、結果を記録・評価して達成度を確認する行為、世に知られた成功者や尊敬する人々の著書を読み、彼らの行動に学び、自らを磨き続けることが第2の領域である。
忙しさの整理整頓をし、やるべきことを決め、スケジュールに“予め”組みこんでいくのである。予めの項目は目標になり、達成した時は充実感に変る。目標は希望にもなる。だめだった時は、またやり方を検討し再挑戦すればよい。
しかしながら、予めが盛り込まれた計画も、実行なくしてはただの紙切れだ。行動の原則はシンプルだ。1.ぐずぐずせずにさっさとやってしまう、2.横道にそれない、3.さぼらない、4.いい加減にやらない、の4つの“DO”だ。
ある日、間に会えばいいんだ、とギリギリで息せききって出発時間に着いた。セーフ!と安堵した。しかしながら、すでに着いていた人々は、50メートルも先で私を待っている、という夢をみた。
シンプルな4つの“DO”を粛々とやり続けている人は、さらりと先に行っているのである。私がやっていなかっただけなのだった。やるかやらないかだけだ。ああ、怖い夢だった。
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