さて、前回のコラムで触れた課題解決型のインターンシップをうまく回すための留意点について書いてみます。私が実施していた課題解決型のインターンシップは、5日~10日程度の短期間で実施するものですので長期的なプログラムにだと別の観点も必要になるかもしれません。
課題解決型のインターンシップは、その企業の事業内容や仕事の役割などを理解し、その企業の抱えている課題をテーマとして取り組んでもらうプログラムになります。仕事の理解だけでなく、自主性やチャレンジすること、課題解決にむけた創造性などを養うこともこのプログラムの主目的になります。したがって、取り組み中に学生ができるだけそれらのコンピテンシーを発揮するような運営を意識する必要があるといえるでしょう。
1.学生との信頼関係の構築
まずは学生との信頼関係を構築する必要があります。上から目線でなく、対等な立場で情報をシェアし、巻き込んでいく必要があります。中には、緊張していてなかなか心を開けない、大人とのかかわりに最初から殻を作って構えてしまう癖がついてしまっているような学生もいます。そういう意味では、ある程度友達感覚で関わることのできる若手社員が入ったほうがよいかもしれません。
2.何を言ってもよいという場づくり
今の学生は場の空気を気にするので、課題をやらせる、あるいは案を押し付けるような雰囲気を出すと、それをやらないといけない雰囲気になってしまいます。そうすると自律的な行動が出てこなくなり、言われた通りにやる、といった受け身の姿勢がでてしまい、主体性も発揮されなくなってしまいます。
3.論理的な議論の中で物事を決めるという姿勢を徹底する
議論する際は、論理的な思考の中で意思決定することをしっかり伝えておきましょう。上の言うことは絶対で、おかしいと思っても意見することは失礼にあたると思い、議論での発言を遠慮してしまうような学生もいます。意見の根拠を訊ねることは論理的な議論を深める上で重要なやりとりですが、学生によっては反論された、あるいは否定されたと受け取ってしまうことがあるようですから、そうした部分もきちんと説明しておいたほうがよいでしょう。
4.アウトプットには厳しく、ゴールはできるだけ明確に示す
課題解決型のインターンシップがうまくいくかどうか、最も重要な部分といえるでしょう。発表内容は抽象的な一般論でなく、具体的で実現可能性のある提案を求めていることをしっかり伝える必要があります。ありがちなミスは、自由に任せるからということで完全に学生たちに丸投げにしてしまうこと。自分の考えだけ押し付けて丸投げしてしまう、なんていうのは最悪です(なにやらダメな管理職の仕事っぷりみたいな感じですね(笑))。
5.論点整理等は手伝ってもよい
課題解決についてのさまざまな手法(たとえばKJ法)や思考プロセス(P⁻D-C-Aサイクルなど)を学んでいるかどうかは、専攻によってばらつきがあるので、できれば一通り事前に指導していたほうがよいでしょう。あまり関与すると自主性を奪ってしまうのでは・・・と思い、関与をためらってしまう場合もありますが、型を自律的に運用する場としてこのインターンシップを使うことで、アクティブラーニングとして相当な効果を得られます。
また、議論に慣れていない学生が多い場合は、議論に一緒に参加してもよいでしょう。その場合は、あくまでも論点整理のファシリテーションに徹しましょう。また、論点整理が進まない場合は、一般的な手法の解説をしながら関わるのがよいでしょう。その際に、学生達の自律的な意思決定にできるだけ関与しないように関わるよう、留意してください。
6.やり方や進め方には口出ししない
やらなければならないことを明示するのは良いのですが、そのやり方や進め方にはできるだけ介入しないように意識してください。介入するとその通りにやろうという意識が強くなり、自律性が発揮されなくなってしまいます。ついやってしまうのは「こんなのいいんじゃない」と議論の中で出てきた自分のアイディアを押し付けてしまうことです。押し付けられた学生は「それをやらないといけないんだ」と受けとめてしまい、それに固執して考えてしまいます。その結果、面白味のない提案になってしまい、聞いている側もがっかり・・・ということになりかねません。大人たちの立ち居振る舞いが学生達の自主性自律性を奪ってしまっているのですが、よほど大人との付き合い経験のある学生でない限り、そういったことを自覚することもできず、不完全燃焼でインターンシップを終えてしまうことになってしまいます。
いかがでしょうか?仕事を任せるという点では自律的なマネジメント運営のノウハウに近いように感じます。ということは、課題解決型のインターンシップをうまく回すことができる組織は、自律型のマネジメントがうまくできているといえるのかもしれませんね(笑)。若手社員にインターンシップのファシリを任せるとそれがそのままマネジメントスキルの育成につながるようにも思います。
1.学生との信頼関係の構築
まずは学生との信頼関係を構築する必要があります。上から目線でなく、対等な立場で情報をシェアし、巻き込んでいく必要があります。中には、緊張していてなかなか心を開けない、大人とのかかわりに最初から殻を作って構えてしまう癖がついてしまっているような学生もいます。そういう意味では、ある程度友達感覚で関わることのできる若手社員が入ったほうがよいかもしれません。
2.何を言ってもよいという場づくり
今の学生は場の空気を気にするので、課題をやらせる、あるいは案を押し付けるような雰囲気を出すと、それをやらないといけない雰囲気になってしまいます。そうすると自律的な行動が出てこなくなり、言われた通りにやる、といった受け身の姿勢がでてしまい、主体性も発揮されなくなってしまいます。
3.論理的な議論の中で物事を決めるという姿勢を徹底する
議論する際は、論理的な思考の中で意思決定することをしっかり伝えておきましょう。上の言うことは絶対で、おかしいと思っても意見することは失礼にあたると思い、議論での発言を遠慮してしまうような学生もいます。意見の根拠を訊ねることは論理的な議論を深める上で重要なやりとりですが、学生によっては反論された、あるいは否定されたと受け取ってしまうことがあるようですから、そうした部分もきちんと説明しておいたほうがよいでしょう。
4.アウトプットには厳しく、ゴールはできるだけ明確に示す
課題解決型のインターンシップがうまくいくかどうか、最も重要な部分といえるでしょう。発表内容は抽象的な一般論でなく、具体的で実現可能性のある提案を求めていることをしっかり伝える必要があります。ありがちなミスは、自由に任せるからということで完全に学生たちに丸投げにしてしまうこと。自分の考えだけ押し付けて丸投げしてしまう、なんていうのは最悪です(なにやらダメな管理職の仕事っぷりみたいな感じですね(笑))。
5.論点整理等は手伝ってもよい
課題解決についてのさまざまな手法(たとえばKJ法)や思考プロセス(P⁻D-C-Aサイクルなど)を学んでいるかどうかは、専攻によってばらつきがあるので、できれば一通り事前に指導していたほうがよいでしょう。あまり関与すると自主性を奪ってしまうのでは・・・と思い、関与をためらってしまう場合もありますが、型を自律的に運用する場としてこのインターンシップを使うことで、アクティブラーニングとして相当な効果を得られます。
また、議論に慣れていない学生が多い場合は、議論に一緒に参加してもよいでしょう。その場合は、あくまでも論点整理のファシリテーションに徹しましょう。また、論点整理が進まない場合は、一般的な手法の解説をしながら関わるのがよいでしょう。その際に、学生達の自律的な意思決定にできるだけ関与しないように関わるよう、留意してください。
6.やり方や進め方には口出ししない
やらなければならないことを明示するのは良いのですが、そのやり方や進め方にはできるだけ介入しないように意識してください。介入するとその通りにやろうという意識が強くなり、自律性が発揮されなくなってしまいます。ついやってしまうのは「こんなのいいんじゃない」と議論の中で出てきた自分のアイディアを押し付けてしまうことです。押し付けられた学生は「それをやらないといけないんだ」と受けとめてしまい、それに固執して考えてしまいます。その結果、面白味のない提案になってしまい、聞いている側もがっかり・・・ということになりかねません。大人たちの立ち居振る舞いが学生達の自主性自律性を奪ってしまっているのですが、よほど大人との付き合い経験のある学生でない限り、そういったことを自覚することもできず、不完全燃焼でインターンシップを終えてしまうことになってしまいます。
いかがでしょうか?仕事を任せるという点では自律的なマネジメント運営のノウハウに近いように感じます。ということは、課題解決型のインターンシップをうまく回すことができる組織は、自律型のマネジメントがうまくできているといえるのかもしれませんね(笑)。若手社員にインターンシップのファシリを任せるとそれがそのままマネジメントスキルの育成につながるようにも思います。
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