スマイルはコストゼロで、効果も絶大
5つ目は「笑顔で接する」です。仕事に集中してしまうと、周りが見えなくなります。知識面と感情面がエンゲージすると、集中力は高まりますが、殻を作ってしまう。すごい形相でデスクに向かっていれば、話しかけたくても誰も話しかけられません。これでは管理職失格です。部下の立場を考えれば、ボスはどんな顔をしていたら話しかけやすいかは分かるでしょう。笑顔が大切なのです。おまけに、スマイルはコストゼロ。笑顔は常に意識しましょう。9つ目は「重要感を与える、誠意をこめて」です。具体的には「お前だからこそ頼むんだ」「君にしかできない仕事だ」といった風にアプローチするのです。見込まれたとなれば、誰だって「自分は重要人物だ」と思います。日本の場合、横並び意識が強いから、誰かに特別に接することは依怙贔屓と受け止められる危険性があるでしょう。焼き餅を焼く人がいるかもしれません。しかし、それではダメなのです。コソコソするのでなく、対面で、堂々と、誠意を込めて伝えることで、余計な誤解を周りに与えず、その彼に重要感を与えることができるでしょう。
リスペクトとコミットメントで日本企業は変われる
11番目は「相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない」です。これまで説明を聞いてきた皆さんには、よく分かると思います。23番目は「まず褒める」です。残念ながら、日本には相手を褒める習慣がありません。しかし、これは効果てきめん。褒められた相手は、ものすごく従業員エンゲージメントが高まります。ぜひ試してみてください。25番目は「命令せず、意見を求める」です。人間関係は、すべての土台です。命令することは人間関係を壊しかねない。また、意見を求めることで、彼が自発的に働くようになる効果もあります。
人々がリスペクトし合い、各人が自分の仕事へのコミットメントを深める。リスペクトとコミットメントは、今まで日本には希薄な文化でした。だからこそ、各種調査で日本企業はエンゲージメントのスコアが低かったのです。このままでは、日本企業の職場は難しくなる一方です。今までのマネジメント手法には、何か足りないものがあったのです。デール・カーネギーのメソッドを、ぜひご活用ください。