原則1は「批判も、非難もしない。不平も言わない」
デール・カーネギーのトレーニングには30の原則があります。いずれも、従業員が「自分は尊重されている」と思え、彼と仕事とのエンゲージメントを高めるためのものです。いくつかを抽出し、紹介しましょう。1つ目は「批判も、非難もしない。不平も言わない」です。間違いたいと思って努力する人など誰もいません。正しいと思って努力したのが、何らかの原因で結果として失敗するわけです。その努力を否定しては希望がなくなります。きつく非難をしても、関係がどんどん悪くなるだけです。そうでななく、淡々と事実を見つめるのです。
照れで誤魔化さず、率直に褒める
2つ目は「率直に誠実な感謝や称賛を与える」です。自分のこの1週間の生活を振り返ってください。ボスから褒められた経験、ワイフから褒められた経験はありますか。子どもを褒めましたか。じつは褒めたり、褒められたりする経験は少なく、珍しいのです。もっと従業員を褒めれば、彼と仕事とのエンゲージはもっと強まるでしょう。日本人は照れもあるので、「率直に」というのが難しいと感じているようです。若い社員は、褒めてほしいのです。しかし、日本には、思っていても口に出さないという文化があります。部長クラスの皆さんと、いまの若い人は違います。阿吽の呼吸は通じないと思ってください。フェイク(fake=偽物、贋作、偽)でなく、誠実な気持ちが大切です。その気持ちで褒めることで、「自分は尊重されている」という気分を相手に与えることができます。