企業が必要とするプロフェッショナルだけを必要な期間だけ提供する、「プロパートナーズ」というサービスが、企業の人材活用、プロ人材の働き方を大きく変えようとしている。
企業が必要とするプロフェッショナルだけを必要な期間だけ提供する、「プロパートナーズ」というサービスが、企業の人材活用、プロ人材の働き方を大きく変えようとしている。
多角的事業で急成長しているサービス企業C社が、一度失敗した顧客管理システムの構築に成功。生産効率を向上させ、情報システム部門の育成も実現した。それを可能にしたのはプロの「社外システム参謀」を活用したことだという。はたして「社外システム参謀」とはどのようなプロフェッショナルなのか? どのようにシステム構築と情報システム部門の育成を達成したのだろうか?
多角的事業で急成長しているサービス企業C社が、一度失敗した顧客管理システムの構築に成功。生産効率を向上させ、情報システム部門の育成も実現した。それを可能にしたのはプロの「社外システム参謀」を活用したことだという。はたして「社外システム参謀」とはどのようなプロフェッショナルなのか? どのようにシステム構築と情報システム部門の育成を達成したのだろうか?
取材対象者:
プロパートナーズ導入企業 C社 代表取締役 宝田光男さん(仮名)
プロパートナー C社 社外システム参謀 三島信彦さん(仮名)
取材協力:
エッセンス株式会社(http://www.essence.ne.jp/)
取材:
経営プロ編集部
プロパートナーズ導入企業 C社 代表取締役 宝田光男さん(仮名)
プロパートナー C社 社外システム参謀 三島信彦さん(仮名)
取材協力:
エッセンス株式会社(http://www.essence.ne.jp/)
取材:
経営プロ編集部
Part1 費用対効果が抜群のプロパートナー
プロパートナーズ導入先C社代表取締役・宝田光男氏に聞く、プロバートナーの「社外システム参謀」を選択した理由と導入の実際、そのメリットと成果。
システム投資から実際の構築まで見てくれる参謀がほしかった
――まず「社外システム参謀」として三島さんを迎えた経緯をうかがいたいのですが。宝田 当社はサービス業の色々な分野で事業が急成長していますが、規模の拡大に合わせたシステムの構築が課題でした。特に紙ベースで行っていた顧客管理は効率が悪く、現場の社員にとって大きな負担になっていました。そこで4年ほど前にあるシステムベンダーに依頼して、外資系の顧客管理パッケージシステムを導入したんですが、結果は満足とまでは行かなかった。業務の成長、きめ細かいユーザーからの要求に合っておらず、これ以上の効率化が望めませんでした。また、開発運用コストの増大も懸念材料でした。そこでもう一度しっかりしたシステムを一から作り直したいと思ったんです。
――不満足の原因はどこにあったのでしょうか?
宝田 最大の要因は、当社にシステムのプロがいなかったことです。こちらが素人でも、システムベンダーに任せれば、プロとしてすべてやってくれるだろうと考えていたのが間違いでした。システム会社の担当者というのはあくまでシステムの側からすべてを考える人たちです。こちらの業務をただ説明しても完全には理解してくれない。システムのプロが当社にいて、事業や業務プロセスをしっかり理解した上で、要望を伝え、システムベンダーをコントロールしてくれないと、まともなシステムはできないと痛感しました。
――そこでシステム参謀が必要だと?
宝田 経営の目線に立って、当社にどういうシステムがベストなのかを考えるところから、投資の規模、ベンダーの選定、開発プロジェクトのコントロールまで、的確にアドバイスしてもらえる参謀が必要不可欠でした。
求める高度な人材をプロパートナーの仕組みで獲得
――CIOのような情報システム部門の核になる人材を経営に迎えようとは思わなかったのでしょうか?宝田 CIOのような役員を設置するのは、もっと会社が大きくなって、情報システム部門ができあがってからだと思うんです。4年前、当社は情報システム部門すらなかったわけで、そこに入って素人の社員を指導しながら、システムの企画からプロジェクトマネジメントまで、監督してもらわなければならない。成長期・過渡期の企業ならではの悩みです。
――実質的にはCIOのような高いレベルのシステム投資判断もサポートしてほしいけれども、プロジェクトマネジャーのようなこともやってほしいと?
宝田 非常に盛りだくさんの要望ですが、正直なところ、フルタイムのCIOを迎えるのはコスト的に無理でした。そんなとき、エッセンスさんを紹介され、プロパートナーなら当社がほしい専門性を、必要な期間だけ提供してもらえると知ったわけです。
プロの指導を受けながらプロジェクトがスタート
――三島さんを紹介されて、すぐに「いける」と思われましたか?宝田 複数の外資系有名システムベンダーで、プロジェクトマネジメントからコンサルティング、営業まで、非常に豊かな経験を積まれた方ですから、能力としては十分以上でした。しかも、顧客管理システムでの失敗について少し話しただけで、当社の課題をすぐに理解し、システムベンダーとのコミュニケーションの大切さ、発注側として必要な姿勢などについて、的確なアドバイスをしてくれました。こういう人が参謀として加わってくれればうまくいくとすぐに確信しました。
――そのとき御社のシステム構築体制はどのようなものだったのでしょうか?
宝田 先ほどお話ししたように、当社にはまだ情報システム部門がありませんでしたから、顧客管理担当役員が責任者としてプロジェクトを推進していく体制でした。彼はシステムについては全くの素人でしたが、前回を教訓に、「システムについて学びながら、良いシステムを自分たちで創っていくんだ」という気概に溢れていました。さらに、今後は当社にも情報システム部門を創っていかなければならないということで、大手システムベンダー出身の若手エンジニアを獲得し、プロジェクトチームに加えました。そこに三島さんが参謀として的確な指導・アドバイスをしてくれるというかたちで、プロジェクトがスタートしたのです。
――システム再構築で前回と大きく変わったのはどういう点でしょうか?
宝田 パッケージシステムをカスタマイズするのでは、当社の業務に合わせにくいので、当社の業務プロセスに合ったシステムを一から開発することにしたことです。まず三島さんに指導してもらいながら、システムの概要や予算を詰め、システムベンダーの選定を行いました。三島さんにも当社の各事業の現場に足を運んでもらい、業務の実際を理解してもらいました。
????システムベンダーのコントロールはうまくいきましたか?
宝田 三島さんはシステムベンダーの仕事に精通しているのはもちろん、当社の業務も理解した上でアドバイスをもらえるので、ベンダーとのコミュニケーションは前回よりはるかにうまくいきました。当社が譲歩すべきところも的確にしてきしてくれたのもよかったですね。プロジェクトチームには色々苦労もあったようですが、約1年半かけてめざす顧客管理システムが完成しました。
業務効率が30%向上した上に、顧客情報を活かしたタイムリーなプロモーションも可能に
――できあがったシステムの効果はどのようなものでしたか?宝田 まず業務効率が約30%向上しました。各事業の現場にアンケートをとったんですが、それを見ると、「顧客のサービス利用状況などあらゆる情報が一元管理できる」「紙ベースの管理でありがちだった記入ミスがなくなった」「部署間の連携がスムーズになった」など、色々な効果があったことがわかります。
――会社の経営にとってもメリットがあると感じていますか?
宝田 社員の負担が減って、生産性が上がったわけですから、経営にはそれだけで大きなプラスです。しかも各部門が共通の顧客情報を持っているわけですから、別の部門の顧客にタイムリーなプロモーションを行うといったこともでき、売上アップにも貢献しています。
――システム参謀・三島さんの働きには満足していますか?
宝田 もちろん大満足です。数千万円、数億円のシステム投資をしても、初回のように素人が直接システムベンダーとやりあっていたら、使い物にならないシステムができあがり、投資がすべて無駄になってしまいます。それがシステム参謀に入ってもらうと、極めて割安のコストで投資が生きたものになる。しかも三島さんからは色々なことを教わり、当社のITリテラシーもかなり向上しました。
さらに情報システム部門の育成、次世代システムの開発へ
――情報システム部門の育成は進みましたか?宝田 開発プロジェクトを通じて、顧客管理担当役員もかなりシステムに強くなりましたし、システムベンダーから経験者採用したエンジニアも、情報システム部門の中核として成長してくれました。
――三島さんはシステム完成後もシステム参謀として残られたのですね?
宝田 はい。情報システム部門にはその後3名採用し、プロフェッショナルとして育成しているんですが、そこでもやはり三島さんの豊かな経験が必要なので、今度は指導・育成を担当してもらっています。中核となる社員も指導に当たっていますが、まだ若いので、やはり三島さんのようなベテランがいてくれた方が、組織としての成長は速いと思います。
――今後、三島さんに期待していることはありますか?
宝田 当社の発展に対応して、そろそろ顧客管理システムもバージョンアップの時期に来ていますし、それ以外のシステムも当社ならではのものを創り上げたいという思いもあります。三島さんにはまだまだ力を貸していただきたいですね。