株式会社マイナビは、2019年卒業予定の学生を対象とする、企業の採用活動と学生の就職活動状況および今後の展望などをまとめた「2018年度(2019年卒)新卒採用・就職戦線総括」を発表した。
マイナビの「2018年度新卒採用・就職戦線総括」 全体的に学生の行動量は減少するも、内々定社数は増加

■「2019年卒のインターンシップ参加率」

【全体】…78.7%
・文系男子…78.6%
・文系女子…80.5%
・理系男子…75.6%
・理系女子…80.9%

広報活動開始前の段階(2月)までに、インターンシップに参加した学生の割合は年々上昇しており、19年卒では8割に迫る結果となった。特に女子では文理ともに8割を超え、インターンシップが市民権を得ている様子が伺える。

■「企業のインターンシップ実施率」

【全体】…48.6%
・300人未満…38.5%
・300~999人…63.3%
・1,000人以上…76.9%
・上場…77.0%
・⾮上場…44.9%
・製造…46.3%
・⾮製造…48.2%

19年卒では約半数の企業が「実施した」と回答。特に、上場企業や従業員規模の大きい企業では7割以上が「実施した」と回答している。インターンシップの実施は、上場、大規模企業が実施をけん引し、社会全体で実施割合が高くなっていることがわかる。

■前年比で見る「企業の採用予定数(採用意欲)」

【大学(文系)】
<増やす29.4%> <前年並み46.9%><減らす5.1%><未定11.7%>
【大学(理系)】
<増やす34.3%> <前年並み46.2%><減らす3.2%><未定12.5%>
【大学院(理系)】
<増やす20.0%> <前年並み38.7%><減らす2.4%><未定23.0%>

企業の採用意欲は前年通り高いまま推移し、18卒入社予定の人数に対して19卒入社予定の人数は+16.8%の採用予定であった。また、3社に1社程度が採用を増やす予定であったことがわかる。

■17年卒を基準とした「18年卒、19年卒の“行動量”の累計比較」
(※2017年卒の行動量累計を100%としたとき)

【エントリー社数】
・2018年…87.3%
・2019年…64.0%

【内々定を受けた社数】
・2018年…113.3%
・2019年…120.0%

エントリー者数は減少傾向にある一方、内々定を受けた社数は増加している。学生のインターンシップ参加率上昇、早々に選考・内々定を受けたこと等が、企業への行動量減少の理由と考えられる。

■前年比で見る「複数内々定保有学生の割合」

【18年卒】<6月43.1%> <7月46.5%>
【19年卒】<6月45.2%> <7月50.5%>

7月末時点で全体の50.5%の学生が、複数社から内々定を受けている。これは前年7月末の複数内々定保有割合を上回っており、同一の学生が企業から複数の内々定を受ける機会は前年よりも増加している。

■「企業の内定者施策開始時期」と「実施予定施策」

【全体】…<早める28.6%><同時期53.6%><遅らせる1.3%>
・上場… <早める25.1%><同時期70.8%><遅らせる1.0%>
・非上場…<早める26.6%><同時期54.2%><遅らせる1.2%>
・製造…<早める27.5%><同時期52.2%><遅らせる1.1%>
・非製造…<早める25.8%><同時期58.7%><遅らせる1.2%>

内々定辞退対策の開始については、前年と「同時期」という回答が53.6%、「早める」という回答が28.6%と、おおよそ前年通りか早める傾向。

また、「内々定辞退対策として実施予定のもの」トップ3は、1位「懇親会(飲み会)(65.0%)」、2位「誓約書の提出(52.7%)」、3位「人事との面談(41.6%)」という結果であった。

■前年比で見る「採用対象の拡大に関する採用手法」

・学校名不問…36.5%(18年卒33.2%)
・新卒・中途枠の撤廃…4.6%(18年卒3.8%)
・外国人留学生採用…12.7%(18年卒10.0%)
・日本人の海外留学生採用…4.2%(18年卒4.1%)
・学生アルバイトの社員登用…9.4%(18年卒8.4%)

割合が高いのは「学校名不問」だが、「新卒・中途枠の撤廃」や「外国人留学生採用」など、対象を新たに拡大するような施策も増加している。

この記事にリアクションをお願いします!