昨年、食品を取り扱う会社のアルバイト従業員が、冷蔵庫に入った写真を投稿する等の行動により、企業に大きな損害を与えたことは記憶に新しいのではないだろうか。その後、プロスポーツ選手が、重大事件の被害者に対する不適切なコメントを発し、後日謝罪する等、同様の事例が相次いでいる。これらの問題を機に対策を講じた企業も多いが、手つかずの会社もあるのではないだろうか。
そこで、今一度、ブログ、ツイッター、フェイスブック等のソーシャルメディア利用に関して、企業が取るべき対応について整理しておきたい。
ソーシャルメディア利用による問題の特徴として、一人の軽はずみな行動が、インターネットを通して拡散され、瞬く間に大きな損害をもたらしてしまうことが挙げられる。さらに、一度流出した情報は、削除が困難となるため「機密情報の漏えい」や「企業の信用失墜」による被害が深刻なものとなりがちである。
このような問題が発生する原因のひとつとして、労働者が自らの義務と責任を理解していない場合が多いのではないだろうか。
労働者は、使用者と雇用契約を結び勤務する以上、たとえアルバイトであっても「守秘義務」や「職務専念義務」等の義務が発生する。これらを怠り、使用者や第三者に損害を与えた場合には「損害賠償義務」も発生するのである。
使用者は、労働者に対し教育を行うことにより、義務と責任を自覚させることが必要である。次の点に留意して計画的に実行していただきたい。
(1) 就業規則の説明や誓約書徴求等による意識づけ
入社時に就業規則の説明を行う過程において、労働者の義務や責任につい教育することが重要である。
誓約書についても、その内容を充分に説明しておかなければならない。事務的に流すような説明であっては、意識づけという目的を果たせないのである。
さらに、当社においてはどのような行動が義務違反となるのか、できるだけ具体的に説明することが望ましい。重要な事項を抜粋した資料を作成し、配付することも有効である。
(2) 就業規則、諸規程の見直し
教育実施にあたっては、現行の就業規則や諸規程が当該問題に対応できるものであるか見直しておく必要がある。
懲戒や服務に関する条文の中に、情報漏えいや信用失墜に係る事項が定められているか、モニタリングに係る事項が定められているか等について確認しておこう。
(3) 継続的な教育の実施
入社後においても、業務習得の段階に応じて、定期的に教育を実施する。自らの言動が関係者へどのような影響を与えるか、事例をもとに考えてもらうことにより、想像力を養う内容が良いであろう。
また、禁止するばかりではなく、情報公開範囲の設定方法等の知識について指導しておくことが望ましい。
問題発生時の対応についても定めておきたい。
ソーシャルメディアによる問題が発生した場合、情報の拡散スピードが驚くほど速く、初期対応の誤りによって被害を拡大させてしまうことも多い。よって、万が一の際に迅速かつ適切に対応できるよう、連絡体制や窓口担当者の決定方法等をあらかじめ定めておくことが必要である。
さらに、問題発生から調査、社内通知や社外対応までの流れを整理し、訓練しておけば安心である。これらは、自然災害をはじめとした他の危機管理についても応用できるであろう。
ソーシャルメディアの問題は、昨今急激に注目されている問題であるが、現代のように新しい技術が次々に開発される状況にあっては、これに限らず様々な問題が発生するであろう。
よって、付け焼刃的な対応ではなく、経営理念、行動指針等、会社の考え方や価値観を浸透させることにより、常に適切な対応ができる人材の育成が、今後の労務管理において重要となってくるのである。
山本社会保険労務士事務所 山本武志
ソーシャルメディア利用による問題の特徴として、一人の軽はずみな行動が、インターネットを通して拡散され、瞬く間に大きな損害をもたらしてしまうことが挙げられる。さらに、一度流出した情報は、削除が困難となるため「機密情報の漏えい」や「企業の信用失墜」による被害が深刻なものとなりがちである。
このような問題が発生する原因のひとつとして、労働者が自らの義務と責任を理解していない場合が多いのではないだろうか。
労働者は、使用者と雇用契約を結び勤務する以上、たとえアルバイトであっても「守秘義務」や「職務専念義務」等の義務が発生する。これらを怠り、使用者や第三者に損害を与えた場合には「損害賠償義務」も発生するのである。
使用者は、労働者に対し教育を行うことにより、義務と責任を自覚させることが必要である。次の点に留意して計画的に実行していただきたい。
(1) 就業規則の説明や誓約書徴求等による意識づけ
入社時に就業規則の説明を行う過程において、労働者の義務や責任につい教育することが重要である。
誓約書についても、その内容を充分に説明しておかなければならない。事務的に流すような説明であっては、意識づけという目的を果たせないのである。
さらに、当社においてはどのような行動が義務違反となるのか、できるだけ具体的に説明することが望ましい。重要な事項を抜粋した資料を作成し、配付することも有効である。
(2) 就業規則、諸規程の見直し
教育実施にあたっては、現行の就業規則や諸規程が当該問題に対応できるものであるか見直しておく必要がある。
懲戒や服務に関する条文の中に、情報漏えいや信用失墜に係る事項が定められているか、モニタリングに係る事項が定められているか等について確認しておこう。
(3) 継続的な教育の実施
入社後においても、業務習得の段階に応じて、定期的に教育を実施する。自らの言動が関係者へどのような影響を与えるか、事例をもとに考えてもらうことにより、想像力を養う内容が良いであろう。
また、禁止するばかりではなく、情報公開範囲の設定方法等の知識について指導しておくことが望ましい。
問題発生時の対応についても定めておきたい。
ソーシャルメディアによる問題が発生した場合、情報の拡散スピードが驚くほど速く、初期対応の誤りによって被害を拡大させてしまうことも多い。よって、万が一の際に迅速かつ適切に対応できるよう、連絡体制や窓口担当者の決定方法等をあらかじめ定めておくことが必要である。
さらに、問題発生から調査、社内通知や社外対応までの流れを整理し、訓練しておけば安心である。これらは、自然災害をはじめとした他の危機管理についても応用できるであろう。
ソーシャルメディアの問題は、昨今急激に注目されている問題であるが、現代のように新しい技術が次々に開発される状況にあっては、これに限らず様々な問題が発生するであろう。
よって、付け焼刃的な対応ではなく、経営理念、行動指針等、会社の考え方や価値観を浸透させることにより、常に適切な対応ができる人材の育成が、今後の労務管理において重要となってくるのである。
山本社会保険労務士事務所 山本武志