株式会社ウェザーニューズは2023年6月8日、「天気痛調査2023」の結果を発表した。調査期間は2023年4月21日~5月1日で、全国の10代~60代以上の男女19,897名から回答を得た。本調査から、天気や気圧の変化による身体の不調である「天気痛」を持つ人の割合や、日常生活への影響度、発症する気象要件の傾向などが明らかとなった。
全体の7割近くが天気痛の自覚あり。女性は半数以上が天気痛持ちか
気象の変化によって症状などが悪化する病気を「気象病」と呼ぶ。「天気痛」はこの気象病の一種であり、普段から痛みの原因を持っている人が、天気の変化により頭痛・首や肩の痛み・関節痛・過去の怪我や手術による傷あとの痛みなどを発症することを指す。これに関して、実際に天気痛を持つ人の割合や、日常生活への影響度はどれくらいなのだろうか。まずウェザーニューズが、「自身は天気痛を持っているか」と質問した。すると、全体では7割近くが「はい」もしくは「持っている気がする」と回答したという。
男女別で見ると、女性は「持っている」が50.9%、「持っている気がする」が34.6%と、合計85.5%だった。一方、男性は「持っている」が22.9%、「持っている気がする」が30.6%で、合計53.5%となった。男女比では、女性のほうが天気痛を持っている人が多いことがわかった。
3人に1人は「週に2回以上」の発症。若い世代ほど発症頻度が高めの傾向に
次に、同社が「天気痛の症状がある頻度」を尋ねた。すると、「ほぼ毎日」が7%、「週に2~3回」が26.1%、「月に数回」が66.9%だった。「週に2~3回」と「ほぼ毎日」の人を合わせると、3人に1人が週に2回以上、天気痛の症状に悩まされていることがわかった。4人に1人は「学校・仕事を休む」など生活に支障あり。30代女性が最も顕著に
続いて同社は、天気痛の症状の生活への影響度合いを調査するため、「痛みが一番ひどい時はどのくらいか」を質問した。その結果、「仕事・学校を半日休む程度」(16.2%)と「仕事・学校を1日休む程度」(10.4%)を合わせると26.6%となり、おおよそ4人に1人が生活に支障をきたしていることがわかった。さらに「少し休む程度」(34%)を含めると、6割以上の人が天気痛により短時間から1日休まざるを得ない状況にあることが明らかとなった。この結果を男女別・年代別にみると、女性の3人に1人は「仕事・学校を休む程度」など、天気痛の症状によって生活に大きく支障をきたしていた。また、症状が最も顕著なのは、30代女性だったという。
7割近くが「雨や曇り」の日に天気痛を発症。女性は雨よりも曇りの日が多い傾向
次に、天気痛が発症する気象条件を調査するため、「天気痛が起こるのはどのような日が多いか」を同社が尋ねた。すると、「雨の日」が37.2%、「曇りの日」が29.9%、「晴れの日」が2.4%だった。7割近くが、雨や曇りの日に天気痛を発症しているようだ。発症の原因となる気象要素は「気圧」で、約8割が「症状に関係あり」と認識
また、痛みを引き起こす気象要素について、「自身の天気痛には何が一番関係していると思うか」と質問したところ、「気圧」(81.4%)が8割を超え大多数を占めた。以下、「天気」(8.5%)、「気温」(5%)、「湿度」(4.1%)がそれぞれ1割未満で続いた。
本調査結果から、天気痛を持っている、もしくは持っている気がする人は約7割に及び、男女別では女性の発症率が高いことがわかった。発症頻度や要因はさまざまのようだが、自社で働く人の傾向を掴むことで企業側も対策がとりやすいのではないだろうか。特に梅雨の時期や台風の時期を迎える前には、「気象によって仕事に支障をきたす人もいる」と踏まえた上で、フォロー体制を整えておきたい。