株式会社Too Digital Marketplaceは2023年2月1日、「自社ビジネスにおけるNFT活用に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2022年12月27日~2023年1月3日で、自社ビジネスでのNFT(非代替性トークン)活用に「興味がある」とした50名規模以上の企業経営層312名から回答を得た。調査から、NFT活用へ期待を寄せる事業内容や、活用に向けた課題などが明らかとなった。
企業が「NFT活用」を期待する事業は? 新規コンテンツ等で活用を望む一方、“知見”や“人的リソース不足”に課題感か

6割以上がNFT活用で「新規事業創出」に期待感か

NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーン上で発行されるトークンで、トークン自体に固有の値を持たせた非代替性のものであることが特徴だ。デジタルコンテンツの市場創出のみならず、ファッションやスポーツ、観光等の分野でも、資産の顕在化や新たな収益分配の実現にも期待が寄せられ、政府も実証実験等を行うなど、関心が高まっている。こうした背景から、企業におけるNFTの活用にも注目が集まっているが、どのような事業での活用が期待されているのだろうか。

Too Digital Marketplaceはまず、「自社ビジネスでのNFT活用には、どのような期待があるか」と尋ねた。すると、「新規事業創出」が63.1%で最多だった。以下、「既存事業の強化」が50%、「顧客満足度の向上」が42.9%、「ブランディング」34.9%と続いた。
企業が「NFT活用」を期待する事業は? 新規コンテンツ等で活用を望む一方、“知見”や“人的リソース不足”に課題感か

NFTを活用してみたい領域は「新規コンテンツ制作・販売」が最多に

次に同社は、「NFTを活用してみたい領域」を尋ねた。すると、「NFTコンテンツの制作・販売(新規)」が49.4%で最多だった。以下、「NFTコンテンツの制作・販売(既存コンテンツの価値向上)」が45.5%、「クリエイターやアーティストとの協業によるNFTコンテンツの制作・販売」が35.6%と、コンテンツ活用の意向に関する回答が上位にあがった。他方で、「コミュニティ運営」(29.8%)や「NFT人材事業」(26.9%)といった、コンテンツ以外の領域で活用したいとの回答も2割以上あり、活用したい領域はさまざまだった。
企業が「NFT活用」を期待する事業は? 新規コンテンツ等で活用を望む一方、“知見”や“人的リソース不足”に課題感か

NFTを「活用済み・予算化済み」の企業が1割超、「活用を検討中」は6割以上に

続いて、「自社ビジネスにおけるNFTの活用検討状況」について同社が尋ねると、「既に活用している」(8.7%)と「予算化済み」(8%)の回答が計16.7%と、活用済みもしくは活用に向け準備が整っている企業が1割以上あることがわかった。また、「検討中」(29.2%)および「検討に向けて準備中」(32.8%)の回答は計61.7%と、NFT活用を前向きに検討している企業は6割にのぼった。
企業が「NFT活用」を期待する事業は? 新規コンテンツ等で活用を望む一方、“知見”や“人的リソース不足”に課題感か

NFT活用に関する課題は「知見のある人材の不足」が最多

最後に同社は、「自社ビジネスにNFTを活用するとした場合、不安や課題に感じること」を尋ねた。すると、「NFTに知見のある人材の不足」(53.8%)が最も多かった。以下、「実行のための人的リソースの不足」(41%)、「自社ビジネスにどう活用できるのかわからない」(36.2%)が上位にあがった。ほかにも、「セキュリティ」(33.3%)や、「著作権の扱い」(33%)など、システムや法律面での課題も散見された。
企業が「NFT活用」を期待する事業は? 新規コンテンツ等で活用を望む一方、“知見”や“人的リソース不足”に課題感か
調査から、6割以上がNFTを活用した新事業創出に期待を寄せていることがわかった。一方で、新たな技術であることから、知見やノウハウなどが乏しく、NFTビジネスを実施できるだけの人的リソース不足が課題となっている企業もあるようだ。NFT活用を目指す企業では、研修などを通じたノウハウ蓄積や、人的リソースの確保に取り組む必要もあるのかもしれない。

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