株式会社FUNDINNOは2022年12月22日、「CXOの株主管理・経営管理に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年12月13日~14日で、CXOの株主・経営管理の責任者および担当者の110名から回答を得た。調査から、CXO人材が株主管理に抱える課題や、コア業務への集中度合いなどが明らかとなった。
“CXO人材”の「株主管理・経営管理」に関する課題は? 株主総会準備などにより「コア業務に集中できていない」との声も

4人に1人が株主総会準備に「1ヵ月以上」の時間を費やしている

CXOは企業活動において、業務および機能の責任者の総称であり、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高執行責任者)など、「X」に代用される頭文字によって職務や責職を企業が自主的に定めるものだ。CXO人材は経営に関わる重要な役割を果たすものだが、業務における株主管理にはどの程度の時間を費やしているのだろうか。

まず、FUNDINNOが「株主総会の準備にどれくらいの時間を費やしているか」を尋ねると、「1ヵ月未満」が49.1%でほぼ半数を占めた。他方で、「1ヵ月以上2ヵ月未満」は13.6%、「2ヵ月以上3ヵ月未満」は5.5%、「3ヵ月以上4ヵ月未満」は4.5%、「5ヵ月以上は」1.8%で、1ヵ月以上の時間を費やしている人も25.4%存在することがわかった。
“CXO人材”の「株主管理・経営管理」に関する課題は? 株主総会準備などにより「コア業務に集中できていない」との声も

約4割が株主総会の準備に「2人以上」の人員を費やしている

次に同社は、「株主総会の調整にどのくらいの人員を費やしているか」を尋ねた。すると、「1人」との回答が40%で最も多かった。以下、「2人~3人」が24.5%、「4人~5人」が7.3%、「6人~10人」が3.6%、「11人~19人」が2.7%、「20人以上」が1.8%と続いた。株主総会準備に、2人以上の人員を費やしている企業は計39.9%となった。
“CXO人材”の「株主管理・経営管理」に関する課題は? 株主総会準備などにより「コア業務に集中できていない」との声も

時間以外の株主総会の課題は「書類の作成や郵送手配」が最多に

また、「株主総会の準備をする際に『時間』以外で課題に感じていること」を同社が尋ねると、「書類の作成や郵送手配が大変」との回答が25.5%で最多だった。以下、「多くの工数がかかり人的コストが高い」が17.3%、「集計作業が大変」が10.9%と続いた。

その他フリーコメントには、「感染症対策と会場の確保」や「日時の選定」、「株主の意向確認」といった声が寄せられたという。
“CXO人材”の「株主管理・経営管理」に関する課題は? 株主総会準備などにより「コア業務に集中できていない」との声も

3割以上が事業やコア業務に集中できていない実態が明らかに

続いて、同社が「CXO人材として、事業やコア業務に集中したいと思うか」を尋ねると、「そう思う」との回答は計34.5%だったという。

さらに、「自身は、事業やコア業務に集中できているか」を同社が尋ねると、「あまり集中できていない」(30.9%)と、「全く集中できていない」(5.5%)の回答は計36.4%となった。3割以上が事業やコア業務に「集中したい」と考えている反面、同程度の割合で、現状では「集中できていない」と感じている人もいることがわかった。
“CXO人材”の「株主管理・経営管理」に関する課題は? 株主総会準備などにより「コア業務に集中できていない」との声も

SaaSツールの導入および検討中の企業は2割以下に

最後に同社は、「株主管理や株主総会、財務管理などの経営管理に関するSaaSツールを導入しているか」を尋ねた。すると、「導入している」が3.6%、「導入していないが、導入を検討している」が12.7%で、導入済または検討中の企業はわずか16.3%と2割を下回った。
“CXO人材”の「株主管理・経営管理」に関する課題は? 株主総会準備などにより「コア業務に集中できていない」との声も
本調査から、CXO人材の3割以上が事業やコア業務に集中できていないことが明らかとなった。また、株主総会の準備等において「書類の作成や郵送手配」などに課題を抱えていることもわかった。今後、株主・経営管理を効率化したい企業では、ツール導入などを含め、CXO人材がコア業務に集中できる環境づくりが重要と言えそうだ。

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