経済産業省は2022年7月19日、同年7月14日からの大雨による災害で、宮城県の1市1町に「災害救助法」が適用されたことを受け、被災した中小企業・小規模事業者に対する対応措置を実施することを発表した。これに伴い、宮城県内および岩手県の一部地域の金融機関などに相談窓口が設置され、災害復旧費用の融資などを通じて、被災した中小企業・小規模事業者への支援が行われる。
被災企業・事業者に「災害復旧貸付」と「既往債務の返済条件等の緩和」等を実施
経産省は、今回の被災中小企業・小規模事業者対策において、以下の5項目の支援を行う構えだ。1.特別相談窓口の設置
宮城県内の日本政策金融公庫(岩手県の一関支店を含む)、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会およびよろず支援拠点のほか、全国商店街振興組合連合会、中小企業基盤整備機構東北本部、東北経済産業局に、相談窓口を設置する。
2.災害復旧貸付の実施
大雨により被災した中小企業・小規模事業者を対象に、宮城県内の日本政策金融公庫(岩手県の一関支店を含む)、商工組合中央金庫が、事業の運転資金または設備資金を融資する「災害復旧貸付」を実施する。
3.セーフティーネット保証4号の適用
「災害救助法」が適用された宮城県の各市町で、大雨の影響を受け売上高などが減少している中小企業・小規模事業者を対象に、信用保証協会が一般保証とは別枠で融資額100%を保証する「セーフティーネット保証4号」を適用する。なお、「セーフティーネット保証4号」に関する相談は、信用保証協会において事前に受け付ける。
4.既往債権の返済条件緩和等の対応
宮城県内の日本政策金融公庫(岩手県の一関支店を含む)、商工組合中央金庫および信用保証協会に対し、返済猶予等の既往債務の条件変更、貸出手続きの迅速化、担保徴求の弾力化などを、被災した中小企業・小規模事業者の実情に応じて対応することを要請する。
5.小規模企業共済災害時貸付の適用
「災害救助法」が適用された宮城県の各市町において、被災した小規模企業共済契約者対象に、中小企業基盤整備機構が原則として即日・低利で融資を行う「災害時貸付」を適用する。
今般の大雨で大きな被害が出た宮城県では、事業所の被災などで事業に影響が出た企業もあるだろう。「災害救助法」の適用に伴う、これらの政府による支援策について情報を確認してみてもよいかもしれない。