株式会社sonarは2022年6月3日、「ベンチャー経営者の相談相手に関する実態調査」の結果を発表した。調査は2022年5月23日~24日に実施され、秘書を持たないベンチャー企業の経営者106名から回答を得た。調査結果から、ベンチャー企業経営者の悩みが明らかとなった。
“経営以外の業務”に多くの時間を費やす経営者も
ベンチャー企業では、経営者が「経営業務」と「それ以外の業務」の両方を担うケースは少なくないだろう。はじめに同社が、「一日の業務のうち、“経営業務以外の業務”に費やす平均的な時間」を尋ねると、「3時間未満」が30.3%で最も多かった。しかし、2位は「6時間以上7時間未満」(14.2%)、3位は「7時間以上8時間未満」(12.3%)となり、1日の大半を経営以外の業務に取られている経営者もいるようだ。
約5割が「経営業務を十分に行えていない」と感じている
続いて同社が「経営業務を十分に行えていると思うか」を尋ねると「全くそう思わない」が8.2%、「あまりそう思わない」が41.2%となり、合わせて49.4%となった。他方で「ややそう思う」は33%、「非常にそう思う」は12.4%で、合計35.4%だった。「経営業務を十分に行えていない」と感じている経営者が、「行えている」と感じている経営者を14ポイント上回った。経営に関する不安・悩みを相談できない経営者は3割
次に、同社は「思いついたアイデアや経営に関する不安などを、社員に気軽に相談できるか」を尋ねた。すると「どちらかというとできる」が26.4%、「できる」が31.1%となり、合計57.5%が「できる」と回答した。一方で、「できない」が18.9%、「どちらかというとできない」が12.3%で、合計31.2%が「相談できない」という実態が明らかとなった。現状では「相談できていない」とした人の半数が「悩みや不安を相談できる人材を求める」
また同社は、先述の「相談できていない」と回答した人に「気軽に相談できる人材が欲しいと思うか」を尋ねた。すると「非常にそう思う」が15.1%、「ややそう思う」が39.4%で、合計は54.5%と半数を超えた。7割が「アイデアを整理するため」の相談相手を求める
最後に、「気軽に相談できる人材が欲しい」と回答した人に「その理由」を尋ねた。最も多かったのは「他者と話すことでアイデアを整理させたい」で、72.2%が回答。以下、「客観的な視点からの意見・戦略の提案を聞きたい」が61.1%、「他者と話すことで悩みを解消できることもある」が55.6%となった。
経営業務のみに専念できているベンチャー企業の経営者は少数派で、周囲に気軽に相談できないことを悩む人も少なくないようだ。経営課題のひとつとして、“「経営者自身」をサポートする人材の不足”があると言えそうだ。