Sansan株式会社は2021年11月22日、「今年の出会いとビジネスに関する調査」の結果を発表した。本調査は、2021年10月21日~25日に、東京都または大阪府に在住する20~50代のビジネスパーソン1,000名を対象に行われたものだという。これにより、働く人々が新型コロナウイルス感染症の影響下で、社外の人との関係構築をどのように捉えているかが明らかとなった。
4割弱が「初対面の人との出会いがとても減った」と回答
長引く新型コロナウイルス感染症拡大は、ビジネスにおける出会いにどのような変化をもたらしたのだろうか。同社が「今年1年で、仕事で初対面の社外の人と出会う機会に変化があったか」について尋ねた結果では、「とても減った」が37.8%、「少し減った」が29.6%となった。合算して67.4%が「減った」と回答し、同社が2020年に実施した結果とほぼ同じ水準となった。
出会いからの「つながりの構築」も課題視されている
続いて、「出会ったあとに、つながりを作れているか」を問うと、全体では「とてもそう思う」が6.9%、「そう思う」が30.1%で、肯定的な意見の合計は37%となった。この結果を地域別に見ると、東京が42.8%、大阪は31.3%で、11.5ポイントの差が付いた。どちらの地域でも、「どちらとも言えない」の回答が最多で、東京は37.6%、大阪は46.5%という結果だった。このことから、多くのビジネスパーソンが「つながりの構築が難しい」と感じているようだ。「以前より出会いや人とのつながりを大切に感じるようになった人」は6割強
その後同社は、緊急事態宣言等により、対面での交流が制限されるようになったことを経て、「仕事における新たな出会いや人とのつながりを以前よりも大切に感じるようになったか」を尋ねている。その結果、「とてもそう思う」が17.7%、「そう思う」が47.1%で、合計64.8%となった。過半数が、出会いやつながりの大切さを改めて実感していることがわかった。6割が「2020年よりもオンラインコミュニケーションに慣れた」と回答
「昨年よりも、今年の方がオンラインコミュニケーションに慣れたか」については、「とてもそう思う」が20.9%、「そう思う」が43.4%という結果で、合計64.3%が「慣れた」と答えた。大阪の方が「言いたいことを言い切れない」と感じている傾向
さらに同社は、「オンラインコミュニケーションにおいて、言いたいことを言い切ることができるか」を尋ねている。「できていない」(「あまりできていない」と「まったくできていない」の合計)と答えた人は、東京が22.4%だったのに対し、大阪は32.6%と10.2ポイント上回り、ここでも地域差が見られた。約4割が、コロナ禍でこれまでの仕事関係のつながりが希薄だと感じている
「つながりがあった人とのコロナ禍以降の関係性の変化」については、「希薄になった」と回答した人は、東京では36.8%、大阪では39.6%という結果に。約4割のビジネスパーソンが“関係性が希薄化している”と感じていた。
本調査によると、「人との関係性がコロナ禍前よりも希薄になった」と感じている人が多いようだ。しかし見方を変えれば、オンラインが発展したことで「離れた人とも会いやすくなった」など、プラスの面も考えられるのではないだろうか。今後は「貴重な出会いの機会をどうつなげるか」といった、新たな視点も大切になりそうだ。