株式会社博報堂は2021年8月13日、顧客企業をパートナーとした新規事業の共創を、本格的に開始すると発表した。同社の新規事業推進組織である「ミライの事業室」が行うプログラム「Hakuhodo JV Studio」において、“顧客企業が持つ資産や資源などのさまざまなアセット”と、“博報堂の事業共創ノウハウ”を組み合わせることで、共同で新規事業・新収益の創出を目指していくという。
両者のリソースやノウハウを掛け合わせ、テクノロジー活用時代における新たな価値を生み出す
企業における新規事業の開発は年々拡大しており、さまざまな手法が取られているといえる。ただ、さまざま工夫を凝らしても、一社単独で行う事業開発には課題も多く、パートナーと共に事業を行うことを希望する企業が増加しているという。実際に博報堂でも、これまで多数の顧客企業に対して事業開発支援を実施するなかで、同社の「生活者発想」や「未来洞察力」などの強みを生かし、「事業パートナーとして協働してほしい」という依頼を多数受けていたということだ。同社はこのような状況をふまえ、コンサルタント、マーケーター、クリエイターなどのメンバーで構成する「ミライの事業室」を中心とする推進組織を作り、新たなビジネスを開始することを決定。顧客企業の「多用なアセット」と、「博報堂のリソース」を掛け合わせることにより、新規事業の共創を本格的に推進していくという。
その方法として、「ミライの事業室」に新規事業共創プログラム「Hakuhodo JV Studio」を同日付で設置。同社が有する“生活者の視点に立った成長戦略立案”のノウハウの活用を通じ、顧客企業と共に近い将来におけるビジネスチャンスを創出する。また事業計画を推進する際は、人的・金銭的・時間的リスクを同社と顧客企業が共に負担し合う事業体「ジョイント・ベンチャー(JV)」を設立し、新収益の獲得を目指す。各事業計画は、新規事業立ち上げの経験およびスキルを有する人材が推進していくという。
「Hakuhodo JV Studio」の主な特徴・構想は、以下の通り。
(1)「探索」、「深化」、「孵化」の3つの段階に事業構想ステージを区分。構想段階から実装段階までを一気通貫で実施することで、事業創造を推進。また、「探索」から「孵化」の期間は1年程度を目安とし、テーマによっては「深化」や「孵化」の段階から行うこともできる。
(2)両社が出資し合うJVによる事業化を前提とする。事業化に際し、多様な収益化スキームを博報堂が提案する。
(3)事業テーマは、両社の既存事業の延長ではなく、新規事業とする。かつ、5GやIoTなどのテクノロジーを活用した、新たな社会の仕組みと市場「生活者インターフェース市場」において、新たな価値を創造しうるものを想定。
(4)3年で30社程度のJV設立を目指す。
(2)両社が出資し合うJVによる事業化を前提とする。事業化に際し、多様な収益化スキームを博報堂が提案する。
(3)事業テーマは、両社の既存事業の延長ではなく、新規事業とする。かつ、5GやIoTなどのテクノロジーを活用した、新たな社会の仕組みと市場「生活者インターフェース市場」において、新たな価値を創造しうるものを想定。
(4)3年で30社程度のJV設立を目指す。
同社は、これらの取り組みを通じて自社哲学「パートナー主義」を進化させ、顧客企業の“マーケティングパートナー”としての役割だけでなく、“事業共創パートナー”として、新たな存在感と価値を確立したい考えだ。
社会的な価値観が大きく変化していくなかで、これまでの常識や手法にとらわれない、新たな事業構想が必要となってきているようだ。このような企業同士の共創により、新たな価値を創出していく機会は、今後さらに重要となっていくのかもしれない。