中小企業庁は2020年11月11日、令和2年度「中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業(地域中小企業支援機関における経営支援人材育成の実証事業)」を実施するにあたり、実証にあたる事業者1件の公募を行うと発表した。本事業により、地域における中小企業支援機関の支援能力の底上げを図るという。
中小企業支援機関の支援能力強化を図るべく、中小企業庁が実証事業への参加企業を公募

地域における中小企業支援機関の支援能力向上を図る

昨今の新型コロナウイルス感染症による経済活動の急速な減退に伴い、中小企業や小規模事業者における事業継続や雇用の維持は厳しい状況にある。この事態に対応すべく、中小企業庁では、中小企業および小規模事業者が生産性向上に向けた取り組みを進められるよう、相談体制の強化を図ってきた。しかし、新型コロナの影響が長引く現状において、より一層の経営支援が必要な実態と判断したという。

そこで、中小企業庁では新たな手段として、経営支援人材の育成や評価手法についてのモデルを構築、さらにその実証を行うとした。地域における中小企業支援機関の支援能力を向上させることが狙いだ。

本事業ではモデルの構築と実証を行うにあたり、対象事業者と各提案者から創意工夫による提案を募集。ここで寄せられた提案をもとに、中小企業庁経営支援課と実施内容を協議し、実際の執行事業を決定する。具体的には、新型コロナの影響を考慮し、事業者の規模や成長志向に応じて必要となる支援策を検証する「(1)中小企業の属性に応じた支援策および地域の支援機関の在り方についての検証」と、(1)を踏まえて実施する「(2)経営支援人材育成についての実証」を行うという。

今回採択されるのは1件。対象となるのは日本を拠点とした組織であり、「本事業を的確に遂行する組織や人員を有していること」などの条件を満たすものだ。公募期間は2020年11月11日~同年11月30日(午後0時必着)、事業実施期間は契約締結日~2021年3月31日となっている。

新型コロナは再度感染者が急増しており、未だに収束のめどが立たない状況だ。先の見えない現状の中で事業や雇用を守っていくためには、個々のケースを見据え、より現状に即した対応策を講じることが必要になるだろう。

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