エキテン総研(運営:株式会社デザインワン・ジャパン)は2020年10月14日、「コロナ禍における経営実態調査」の結果を発表した。調査期間は2020年8月24日~31日で、店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に情報を掲載している店舗経営者および集客・促進担当者3,381名から回答を得た。この結果から、中小事業者、店舗経営者が受けたコロナ禍の影響について探る。
7割の中小事業者がコロナ禍での経営に「影響あり」と回答。経営維持のためにとった方法とは

休業要請により大きな影響が

緊急事態宣言後の休業要請により、営業時間短縮や休業対応を余儀なくされた店舗は多い。実際のところ、店舗経営にどのような影響を与えたのだろうか。まず、「コロナ禍で経営への影響は出ているか」を尋ねたところ、67.6%の店舗が「既に影響が生じている」と回答した。
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近畿地方、関東地方では約8割が「売上減少もしくはゼロ」と回答

「具体的に売上はどう変化したか」を2019年の4~7月と比較して答えてもらうと、「売上が減少した/売上がなくなった」という回答は、日本国内の全てのエリアで7割以上となった。特に近畿・関東では8割近くにのぼる。マイナス影響があった中小事業者のほうが圧倒的に多いことが見て取れる。
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資金繰りと集客対策で経営維持に注力

続いて、「新型コロナの影響が出始めてから、経営維持のためにどのような対策をとったか」を尋ねた。すると、「政府や金融機関の助成金、補償制度の利用」、「感染拡大防止策実施を積極的にアピールする」が他の選択肢と大きく差を付けて上位となった。多くの店舗は資金繰りや集客に関わる対策に注力し、経営維持に努めていることがわかる。

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集客強化は店舗ホームページの更新やSNS発信などのオンラインが主流

「コロナ禍において売上や客数を増やすため、どのような対策を検討するか」についての回答は、1位が「店舗HPの情報更新などを実施」、2位が「SNSによる情報発信」だった。来店者が店舗へ足を運ぶ前にオンライン上で情報収集ができるように、ホームページやSNSなどを活用し、集客対策をする店舗が多いようだ。なお、3位には「新商品、新サービスを考案する」がランクインした。
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コロナ禍が長期化した場合、経営体力はいつまで持ちこたえられるか

最後に、「このままの状況が続いた場合、どの程度経営を継続できる見通しか」を尋ねた。その結果、「1年以上は継続できる見通し」との回答が1,656件で全体の58.1%となった。イベントの規制などの制限がある中でも経営維持に取り組み、一定の効果を得ていることがわかる。
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新型コロナの影響で、人々の消費活動も大きくかわることとなった。調査結果から、多くの中小事業者は「公的補償を活用し、コロナ対策を行いながら、情報発信を続ける」ことが経営維持に欠かせないと考えていることが読み取れる。状況変化が大きいなかで、いかに周囲にアンテナを張り、情報を収集・そして発信していくかが経営を維持する鍵となりそうだ。

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