株式会社電通は2020年9月23日、株式会社ベクトルとともに、スタートアップ企業における事業成長の加速化サポートプログラム「Rapid Socializing」の提供を開始した。これにより、ベクトルが出資するスタートアップ企業へ、ファイナンスや営業支援を実施。さらに、サービスや製品の価値、企業の思いを言語化し、ブランディングする支援を行っていくという。
両社の知見を組み合わせ、スタートアップ企業を支援
スタートアップ企業のサービスや製品は、その目新しさゆえに有用性が伝わりにくいケースや、企業の思いを整理しきれずメッセージや価値が理解されにくいケースが課題となっていた。そこで、電通とベクトルの両社は各専門領域のソリューションを組み合わせた「Rapid Socializing」の提供を決定。事業成長を加速するきっかけとなる企業ブランドの早期確立や、そのブランドに基づく持続的なコミュニケーション支援を行っていくという。本プログラムでは、電通のクリエーティブ・ディレクターが1社に1名任命される。クリエーティブ・ディレクターとCEOの対話により、サービスやプロダクトの価値だけでなく、企業のミッションやビジョンの言語化、ステートメントの策定を実施していく。スタートアップ企業の経営哲学や存在意義を社会に向けて訴えかけることで、社会的認知の獲得を図る。また、その哲学や存在意義に基づくコミュニケーション施策の実施により、認知向上や持続的なブランド構築を行う。さらに、クリエーティブディレクションの下で、ベクトルがスタートアップ企業のPRコミュニケーションの立案や実行に参画。ファイナンスや人事などのバックオフィス・営業活動支援も行うという。
電通とベクトル両社では、本プログラムを通じ、スタートアップ企業の内外の状況に鑑みた戦略設計やコミュニケーション施策をCEOとともに行うことで、社会におけるポジションを確立し、ブランドの育成や強化の実現を目指す。また、スタートアップ企業が新しい価値やサービスを創出できるよう、事業成長に集中できる環境整備を行っていく考えだ。
スタートアップ企業にとって、豊富な経験を有する企業の伴走により自社の社会的な立ち位置を確立することは、その後の企業成長に大きく関わるだろう。また、かつて自社がスタートアップの時期に欲しかった支援を現在のスタートアップ企業に還元することで、両社の育成や強化につながるかもしれない。