富士ゼロックス株式会社は、子会社の富士ゼロックスアジアパシフィックがオーストラリアのオフィスITサービス企業CSG社との買収手続きを完了し、2019年2月19日より同社を100%子会社化したことを発表した。富士ゼロックスは、今回の買収によって、オーストラリアとニュージーランドでの中小企業向けITソリューションや出力機器の販売拡大を目指すとしている。
富士ゼロックスが豪のオフィスITサービス企業・CSG社を買収、子会社化を発表

製品やITサービスをオセアニア地区の中小企業に向けて提供

富士ゼロックスの調査によると、オーストラリアとニュージーランドでは、企業の約9割を占めているのが中小企業であるという。今回、同社との買収手続きを行ったCSG社はオーストラリアとニュージーランドを拠点とする企業。主にオセアニア地区の中小企業約1万社を対象に、オフィス向けの出力機器やITサービスを提供している。

大手企業がメイン顧客である富士ゼロックスが、オセアニア地区の中小企業に強いCSG社を子会社化することは、両社の相互補完的な事業拡大を期待してのこと。富士ゼロックスは、CSG社の買収により顧客企業をさらに広げ、最適なITサービスと革新的な商品提供を強化していくとしている。なお、買収後もCSG社の社名は継続される予定だ。

新社長には、富士ゼロックス執行役員でオーストラリア・ニュージーランド地域営業担当の杉山健氏が就任した。30年以上にわたり、地域に密着した販売とサポートを提供してきたCSG社と提携し、業務プロセスの最適化することで、顧客企業の経営課題解決と事業成長をはかるという。

人口減少を背景に国内市場の縮小が進む中、企業にとって事業拡大は重要な経営課題だ。今回のM&Aは海外市場に活路を求めた戦略的な事例といえるだろう。

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