株式会社みらいワークスは2021年9月24日、「地方への就業意識調査」の結果を発表した。調査期間は2021年9月9日~14日で、一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に在住し、東京都に勤務している正社員管理職(課長職以上)の1,636名(35歳~65歳)を対象に実施。これにより、地方への就業に関する年齢層別の興味の度合いや、副業に対する意識などが明らかとなった。
「45~55歳」の半数以上が、地方での就業に興味
はじめに、「地方企業で働くことに興味はあるか」を尋ねた。回答を年齢層別に見ると、「35~44歳」では、「興味あり」が18.3%、「やや興味あり」が26.4%で、合計44.7%に。「45~54歳」では、「興味あり」が22%、「やや興味あり」が33.2%で、合計55.2%だった。「55~65歳」では、「興味あり」が13.8%、「やや興味あり」が25.8%で、合計39.6%という結果に。地方企業で働くことに最も興味を持っている年齢層は、「45~54歳」の55.2%で、前年度の同調査の46.2%より9ポイント高くなった。新型コロナの影響によって、地方就業への関心が最も高まったのは「35~44歳」
続いて、「新型コロナの影響は、地方で働くことへの関心に変化をもたらしたか」を尋ねた。すると、「35~44歳」では、「とても強くなった」が11.2%、「強くなった」が31.9%で、合計43.1%の人が関心を強めていることがわかった。「45~54歳」では「とても強くなった」が9%、「強くなった」が25.7%で、合計34.7%に。「55~65歳」では、「とても強くなった」が5.8%、「強くなった」が18.8%で、合計24.6%だった。コロナ禍の影響により、地方で働くことに対して最も関心を強めた年齢層は「35~44歳」ということが判明した。4割以上が「収入が減っても転職を考える」と回答
次に、全年齢層を対象に、「地方の中小企業から経営幹部候補としてのオファーがあった際、現年収に対してどれくらいの給与水準であれば転職を考えるか」について尋ねた。すると、「現年収の7割へ減少」が10.5%、「現年収の8割へ減少」が20.7%、「現年収の9割へ減少」が12.2%となり、「減少」となる回答の合計は43.4%に。4割以上が、「現状の収入より減少しても転職の可能性がある」と考えていることがわかった。全年齢層の半数以上が「地方中小企業での“副業”」に興味を示す
続いて、「地方の中小企業での月1~3回程度の副業に興味はあるか」を尋ねた。すると、「35~44歳」では「興味あり」(18.8%)と、「やや興味あり」(36.7%)の合計が55.5%に。「45~54歳」では合計62%(同:23.3%、38.7%)、「55~65歳」では合計51.7%(同:16.7%、35%)となった。地方中小企業での副業に最も興味を持っているのは「45~54歳」の62%で、昨年度の同調査より4.8ポイント高かった。また、全年齢層において半数以上が、地方中小企業での副業に興味を持っていることもわかる結果となった。
また、「興味あり」もしくは「やや興味あり」とした回答者を対象に、「地方の中小企業での副業に興味がある理由」について尋ねた。すると、「副収入」が38.2%で、最も多い回答となった。他方、「やりがい」が32.7%、「スキルアップ・成長」が20.7%、「地域貢献・地方創生」が8.1%となり、「収入以外の目的」の合計が61.5%に。6割以上が、副業に対して収入以外の理由で興味を持っていることが判明した。
全年齢層の6割以上が「地方での副業経験後、移住する可能性あり」と回答
最後に、「地方での副業を経験後に、その地域への移住・転職に繋がる可能性があるか」を尋ねた。すると、「35~44歳」では「可能性あり」が19%、「やや可能性あり」が47.1%で、合計66.1%だった。また、「45~54歳」では合計69.3%(同:23.9%、45.4%)、「55~65歳」では合計63.9%(同:21%、42.9%)に。全年齢層において6割以上が、「地方での副業を経験後、移住や転職をする可能性がある」と考えていることがわかった。
「地方での就業」への興味の度合いは年齢層によって異なるものの、コロナ禍によって意識の変化や関心の高まりがもたらされたとわかる結果になった。地方での就業・副業体制を整えることが、管理職の転職や移住を促すきっかけとなり得るかもしれない。