経営者が集まる会合や交流会などで時折次のような質問を受けることがある。
「成果を上げるためにはどうすればいいのか?秘訣があれば教えてほしい」
もしあなたなら、この質問にどのように答えるだろうか?
「真面目に取り組めば、、、」
「人よりも努力すれば、、、」
「もっと頑張れば、、、」
ともすると、ついついこのような回答をしてしまいがちではなかろうか。
成果を生み出す方程式はコレだ!

 私なら、このような回答は決してしない。この回答が間違っているとまではいわないが、これらの回答は理念的であり、聞き手によってはその解釈に幅が出てしまう。もしもあなたが、先ほどの質問をしてこのような回答をもらったならば、どう思うだろうか?何となくいいたいことはわかるけれど、でも具体的にはどうすればいいの?という感じになりはしないだろうか。

 「果たして成果を上げるためにはどうすればいいのか?」
私の回答はこうだ。「正しい行動を継続して習慣化させなさい!」

 成果を上げる、、、つまり成果を生み出す方程式というものがある。その方程式とは、「成果=正しい行動×習慣化」なのだ。

 行動と習慣が大切なのだ。そして行動といっても、正しい行動でなければ意味がない。それでは正しい行動とは何か?ぜひ周りを見てほしい。正しい行動を見つけたければ、まずは自分の周りで成果を出している人物をしっかりと観察することだ。一人の成功者ではなく、できれば複数人観察してみるといい。営業マンでも何でも成果を出している人は、何か共通していることがあるものだ。それを見つけてほしい。共通している行動例を探してほしいのである。何も大げさな行動例でなくてもいい。いや、むしろ些細で小さな行動例を探し出してほしい。というのも、小さな行動例の方が真似しやすく、再現性も高いからだ。そして、成果を出している人の行動例をTTP(徹底的にパクル)してほしいのである。運用としては、たとえばそれをチェックシートや行動シートなどにまとめて自らの行動指針として毎朝唱和してもいい。日々意識付けを図り、実践していくのである。

 参考までに弊社では、スタッフの行動基準を毎日朝礼後に唱和している。(写真参照)この行動基準は「できるスタッフになるために!」というテーマでスタッフが自らまとめた行動基準なのである。外部環境などの経営環境が変われば、それに応じて正しい行動も進化させる必要性があることから、半年から1年毎に行動基準の見直しを図っている。

 やり続ける、継続しなければならない。あれやこれやと理由をつけてはやめないことだ。継続は力なりとはよくいったものだ。「失敗しない秘訣は成功するまでやり続ける」ある有名経営者の言葉だが、的を得ていると思う。成否の見極めは必要だが、少なくとも3ヵ月。できれば半年程度は続けてほしい。行動が間違っていないのであれば、必ずやじわじわと成果が表れてくるはずである。半年継続しても何も成果が表れずに、むしろ悪化しているということであれば、その時に行動の見直しを図れば済む話なのだ。私にいわせれば、実はそれも成果の一つ。行動が間違っていたということを発見できたわけなのだから。大抵の場合、正しい行動なのか?間違った行動なのか?よく分析もせずにわからないまま、行動していることが多く、実はそのこと自体が問題なのである。

 この方程式を運用することで、数か月後には行動の成否も判定できる。シンプルな発想だが、実に本質をついている方程式だと思う。ぜひこの方程式を信じて実践してほしいものである。


e-人事株式会社 代表取締役・社会保険労務士 牧 伸英

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