・採用業務は総務が掛け持ちしている(専任の人事担当者がいない)
・採用計画があいまい
・採用活動といえば、求人広告媒体や人材紹介会社に依頼するのみ

これらに当てはまる企業もしくは人事は危険信号です。なぜなら、これまでは従来通りの採用方法で難なく人材を獲得できていたとしても、これからはそうもいかなくなるからです。
現状の採用方法や人事のあり方に、何の課題や疑問も持っていないのであれば、それが致命傷になってしまう前に、ぜひこの記事を読んでみてください。

少子高齢化により、2030年までに労働力人口が約900万人減少!

今まで通りの採用方法で人材を獲得できなくなる理由の一つに、労働力人口の減少があります。人が欲しくても、人がいないという現状があるのです。そこで、日本の労働社会について見てみましょう。

20世紀の日本は、ベビーブームに端を発して人口が急増した時代。経済は製造業が牽引し、大量生産、大量消費で高度成長を続けていました。そのような社会情勢で、理想の働き方は「終身雇用」であるという風潮があり、企業も個人もそう考えていました。若い労働力を一括で大量採用し、社内で時間をかけて育成して定年まで勤めてもらう。消費が増え続ける人口増加社会では、このやり方で十分通用しました。

しかし、少子高齢化の加速が、徐々に日本の労働力に影を落とします。厚生労働省の労働経済白書によると、15歳以上の働く意欲のある労働力人口は1998年の6793万人をピークに減少に転じています。退職した高齢者が増える一方で若い働き手は減るばかり。2012年~2014年における団塊の世代の一斉定年退職がさらに拍車をかけ、労働力人口は急速に減少しているのです。

この傾向は、今後もさらに進行すると予測されています。国立社会保障・人口問題研究所の研究によれば、労働力人口は2013年の6577万人から、2030年には5683万人にまで、約900万人も減少すると予想されており、企業間で少ない労働力を取り合う「獲得競争」が激化するのは避けられません。特に、少子高齢化や後継者問題、労働人口の一極集中問題に直面している地方の中小企業にとっては、労働力の確保は深刻な問題なのです。

ビジネスモデルの賞味期限は5年。進む人材の流動化により、優秀人材は取り合いに。

また、経済環境の変化も人材の獲得競争を激化させる要因として挙げられます。一つのビジネスモデルで30年も40年も続けられた時代は変わり、現在は「5~10年単位でビジネスモデルが変わる」といわれるほど変化の速い世の中になりました。

ビジネスモデルのサイクルが速くなったことで、企業は時間をかけて若い労働力を育成して活躍するまで待つ余裕がなくなってきています。たとえば、日本の基幹産業の一つである自動車産業。ガソリン・ディーゼル車で燃費効率を競ってきた従来の開発と、テクノロジーの急速な進歩によって近年生まれたEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)、自動運転システムなどの開発では、求められる技術がまったく違います。

今までは社内のノウハウだけで勝負できていたとしても、次世代型の自動車開発ノウハウが社内にないとなれば、当然必要なスキルを持つ即戦力人材を採用する必要がでてきます。こうした事情は自動車業界に限らず、どの業界でも共通した課題となっており、各社が中途採用に力を入れ始めるようになりました。しかし、少子高齢化によって労働人口は減少していますので、若く優秀な人材を採用するのは至難の業なのです。

これからは、採用力のある企業が生き残る時代

そうした要因も加味されて、有効求人倍率は1.15倍(平成27年2月発表の季節調整値)と、23年ぶりの高水準になりました。優秀な人材になればなるほど複数の企業が競合しやすく、求職者側にとっては完全な「売り手市場」になるでしょう。

だからこそ、「専任の人事担当者がいない」「採用計画があいまい」「採用活動は第三者に任せている」などに心当たりのある企業や人事は危機感を持たなければならないのです。求める人材を採用したいのならば、候補者に興味を持ってもらうために自社の魅力を積極的にアピールすべきで、そこに企業規模や知名度の有無、都心・地方といった拠点地は関係ありません。

必要なのは、人事という仕事や採用のあり方を見直し、自社に強い採用力をつけること。これからの社会では、そうした採用力のある企業しか生き残れないといっても過言ではないのです。

採用力は、「ダイレクト・リクルーティング」で身につける

この連載では、企業に採用力が身につく「ダイレクト・リクルーティング」という手法についてお伝えします。これは株式会社ビズリーチが提唱しているもので、「人材採用の募集活動を第三者に任せきるのではなく、企業が能動的に活動して採用する」といった、いたってシンプルな手法。実は、海外では約10年前から当たり前のように取り入れられており、近年日本でも大手企業や都心のベンチャー企業を中心に広まりつつあります。

具体的には、求人広告媒体や人材紹介会社に募集活動を任せてしまうのではなく、求める人材要件を企業自らが定義して伝えたり、FacebookやLinkedInなどのSNSや、ビズリーチなどの人材データベースを活用して求める人材を自ら探してアプローチしたり、他にも社員が友人・知人を紹介するなど手法はさまざまです(具体的な方法については第2回以降でお伝えします)。

すでに人材獲得競争は始まっています。労働力人口は減る一方ですから、今まで通用していた採用方法だけでは、戦えなくなります。企業をつくるのは人であり、人を採用できないとなれば、企業が存続の危機に陥ることは明白な事実です。人事のポジションや仕事を重要視していないならば、まずはその考えを改めましょう。求める人材像がぼんやりしているならば、自らが明確に定義しましょう。「待っていれば応募がくる」「今までのやり方で十分通用する」そんな時代は終わりを迎えています。

株式会社ビズリーチは、企業自らが欲しい人材を見つけにいく姿勢を持ち、見つけた人材を獲得できる採用力を身につけるためのお手伝いをします。

(第2回へ続く)

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「人材獲得競争の勝ち方 ~会社の未来に差をつける新時代の採用ノウハウ~」
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